バフェット太郎です。

ダウ平均が600ドルを超す下げ幅を記録しています。

これは、中国が600億ドル相当の米国製品に対する追加関税を従来の最大10%から、最大25%に引き上げる方針を発表したためで、米国が2000億ドル相当の中国製品に対して関税率を10%から25%に引き上げたことに対する報復措置です。

25%の関税の対象は、牛肉や豚肉などの畜産物や果実や野菜などの農産物などです。これで共和党の支持基盤である国内農家が打撃を受けることは必至で、トランプ政権の弱体化を狙ったものに他なりません。

一方、自動車部品や医療機器、トラクターなどの農機具については、関税率が5%のままです。

新関税の適用は6月1日以降に米国から出荷される商品を対象としているため、現在輸送中の商品を含む5月31日までの商品に対しては現行の関税率が適用されます。つまり、交渉の余地はまだ残されているということです。

とはいえ、米国にとって報復合戦は望むところなので、関税率の引き上げを思いとどまることはなさそうです。
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グラフは相手国製品の輸入額を表していますが、グラフを眺めると、米国は年間5750億ドル相当の中国製品を輸入しているのに対して、中国は年間600億ドル相当の米国製品しか輸入していないことがわかります。

そのため、中国は対象品目をこれ以上拡大することができず、600億ドル相当の米国製品のみしか関税率を引き上げることができません。そして、米国は中国の報復措置に対して、さらなる制裁を課すかまえを示しているので、米国が輸入する中国製品の関税率がさらに引き上がり、中国経済がさらなる打撃を被る公算が大きいです。

そもそも、米国のGDPが20兆ドルで中国のGDPが13兆ドル、米国の対中輸出額はGDPの0.3%、中国の対米輸出額はGDPの4.4%であることを考えると、中国が受けるダメージは米国のおよそ15倍に相当します。つまり、報復合戦の殴り合いは、やる前から中国が負けることはわかっているのです。

今後、報復合戦がさらに激化することを考えれば、FRBが利下げに動く確率も高まり、金や金鉱株、高配当株などのディフェンシブ銘柄が買わやすくなります。

また、報復合戦を懸念して世界のグローバル企業が生産拠点を中国からベトナムなどアセアン諸国に移すことが予想されます。なぜなら、中国が世界の生産拠点となっているのは、何も特別な技術があるわけではなく、単に安価な労働力があったからです。

しかし、高い経済成長率を背景とした賃金の上昇や、関税率の引き上げを考えると、企業にとってのうまみはほとんどありません。そのため、中国よりも安価な労働力かつ関税率が低い国々に生産拠点を分散した方が理に適っていると言えるわけです。

仮に生産拠点が中国以外の国々に移れば、中国の失業率が上昇して購買力が低下、さらに、不動産バブルの崩壊と金融危機により、中国経済がいよいよ危なくなります。

中国の株安は新興国市場からの投資マネー流出を加速させることが予想されますが、生産拠点がアセアン諸国に移転することを考えると、これらの国々には投資マネーが流入するため、新興国の中でも明暗が分かれることになりそうです。

特に注目されるのがGDPの小さいベトナムで、GDPに対して莫大な投資マネーが流入することを考えると魅力的な地域と言えそうです。

グッドラック。

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