バフェット太郎です。

投資の世界では、新時代のビジネスモデルや革新的な技術を持つ企業ほどもてはやされ、多くの投資家らから注目を集めるものです。しかし、そうした企業への投資は期待値が大きくなりやすい分、リスクが大きくなるため、それで一儲けするのは困難です。

一方で、成熟したビジネスや古臭い製品を持つ企業への投資は地味で退屈である一方、自分がよく理解できるものであれば先行きも見えやすいため、それで儲けるのは意外にも簡単です。

地味で退屈な企業への投資を一言で例えると、「金の卵を産むガチョウ」に投資するようなものです。

たとえば、日用品世界最大手のプロクター&ギャンブル(PG)は成熟したビジネスであり、昔からある古臭い製品ばかり保有しています。しかし、世の中でどれだけハイテク技術が進化しても、家の中では相変わらず石鹸や歯磨き粉、化粧水や髭剃りが使い続けられているので、安定したキャッシュフローが期待できるのです。

【プロクター&ギャンブルの一株当たりのフリーキャッシュフロー】
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一株当たりのフリーキャッシュフローとは、本業の儲けを表す営業キャッシュフローから投資支出を差し引いたものになります。

プロクター&ギャンブルが手掛ける洗剤や化粧水は大きな利益成長率が期待できないものの、景気に左右されにくいことに加えて、莫大な投資支出を必要としないことから、安定したキャッシュフローが期待できるのです。

そのため、企業は配当や自社株買いなどを通じて株主還元することで、株主に報いることができるのです。

【プロクター&ギャンブル:過去5年チャート】
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プロクター&ギャンブルの一株当たりのフリーキャッシュフローは過去10年間ほぼ横ばいですが、ブランド再編が奏功し、利益率が改善した結果、株価も大きく上昇しています。そのため、これまで愚直に配当を再投資し続けた投資家のトータルリターンは株価の値上がり率以上に上昇しています。

このように、プロクター&ギャンブルの株主はまるで「金の卵を産むガチョウ」を育てているかのように、着実に資産を増やし続けることができるのです。

一方で、新時代のビジネスモデルや革新的な技術は必ずしも利益に結び付くわけではないものの、期待値の大きさから株価が上昇しやすく、結果的にリスクが大きくなるものです。

【テスラの一株当たりのフリーキャッシュフロー】
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電気自動車世界最大手のテスラの一株当たりのフリーキャッシュフローは過去10年間毎年のように赤字となっています。

しかし、過去一年間の四半期決算を振り返ると、うち3四半期でEPSが予想を下回ったほか、直近の四半期決算ではEPSと売上高がともに予想を下回るなど、冴えない企業決算が続いています。
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結果、株価は直近の高値から半値近くにまで暴落し、五年前の水準まで落ち込むなど低迷しています。

テスラはフリーキャッシュフローがマイナスであることから、当然配当などなく、投資家はなんの恩恵も得られていません。これなら、安全資産である米長期債で運用していた方がずっとマシだったということになります。

このように、新時代のビジネスモデルや革新的な技術への投資が必ずしも報われるわけではないことを考えると、投資家は自分がよく理解でき、先行きが見えやすい企業に投資して、配当を再投資を愚直に続けた方がずっと賢明です。

グッドラック。

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