バフェット太郎です。

英BBCによれば、ソフトバンクグループ傘下で半導体デザインの英アーム・ホールディングス(ARM)がファーウェイ(華為技術)との取引を停止すると報じました。

これは、グーグルがファーウェイに対してアンドロイドの提供を中止するよりもずっと致命的です。

そもそも、ARM社は半導体を自社で開発・生産しているわけではなくて、半導体の設計だけを担っている会社です。そのため、同社のビジネスモデルは半導体設計図のライセンス(使用許諾)収入と、生産・出荷のたびに支払われるロイヤリティ(知的財産権)収入を稼ぐというものになります。

また、モバイル向けプロセッサのチップセットの設計では、ARM社がほぼ独占しているため、当然、ファーウェイが自社生産しているKirinプロセッサの設計図もARM社が設計したものになります。
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モバイル向けプロセッサのチップセットはパソコン向けとは違い、設計できる企業がARM社しかいないのが現状です。つまり、ARM社が手を引くということは、ファーウェイのスマホ製造そのものを終わらせることを意味します。

また、米中貿易戦争が長期化の様相を呈する中、ファーウェイが大幅な設計変更をしようとしても、米国の規制に抵触することなくARMコアに替わるプロセッサが簡単に見つかるとは考えにくいため、打撃は一層大きくなることが予想されます。

さて、米中貿易戦争がエスカレートする中、中国ではアップルやマクドナルドに対する不買運動が始まっているそうです。アップルにとって中華圏は売上高全体のおよそ20%を稼ぐ有望市場であることから、貿易戦争はアップルにとってマイナス材料となります。

今後、中国がアップル製品の販売を禁止する報復行為に出ないとも限らず、仮に販売禁止となれば、同社は利益のおよそ三分の一近くを失うことが予想されています。

いずれにせよ、日米貿易戦争がおよそ20年続いたことを考えれば、米中貿易戦争も長期化する公算が大きく、問題が短期間で終息する見込みはありません。

グッドラック。

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