バフェット太郎です。

09年3月から始まる米国株の強気相場はおよそ10年続いているわけですが、世界経済の成長鈍化と米中貿易戦争が懸念される中、それも曲がり角に来ています。

【S&P500種指数:週足】
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S&P500種指数の週足チャートを眺めると、50週移動平均線を挟んだ攻防が続いています。仮にこれを下回るようなら、昨年末の調整局面と同様に200週移動平均線をターゲットに急落する可能性もあり、投資家らは固唾を飲んで見守っています。

さて、株式への投資は値上がり益と配当が期待できることから、強気相場において最強のカードになり得ます。一方で「現金」や「金(ゴールド)」といった安全資産は利息を生まないため保有していても意味がありません。

そのため、強気相場では手札の中にどれだけ「株式」を保有しているかがゲームの勝敗を決めるため、積極的にリスクを負った方がパフォーマンスを最大化できます。言い方を変えれば、リスクに鈍感なバカや向こう見ずなギャンブラーほどパフォーマンスを最大化しやすいです。

しかし、弱気相場になると「株式>現金」という関係はコロッと逆転します。つまり、弱気相場では最強のカードが「現金」や「金」といった安全資産であり、持っているだけで価値が目減りする「株式」は最弱のカードになるということです。

この時、多くの投資家たちは「もう値上がり益も配当も望まないから、価値が値下がりしない資産をくれ!」と、リスクの低い安全資産、すなわち現金や金に群がります。

このように、投資家たちは景気サイクルが起こるたびに狼狽し、株式を買ったり売ったりします。特に株式にフルインベストメントしてしまったクソダサい投資家ほど、暴落時にパニックに陥りやすく狼狽売りに走るものです。

そもそも、投資のプロであるファンドマネジャーたちが運用資金のほとんど全てを使って、常にフルインベストメントの状態で運用しているのは、現金が利益を生み出さないからです。仮に強気相場で現金を多く保有していると、それだけで市場平均から遅れを取ってしまうだけでなく、ライバルファンドとの差も開いてしまいます。

そのため、彼らはフルインベストメント以外の選択肢がもともとないのです。

一方で個人投資家たちは誰かと投資パフォーマンスを競っているわけではいので、わざわざ狼狽売りしてしまうリスクを高めるようなポートフォリオをデザインする必要はないのです。従って、個人投資家たちは現金や金といった安全資産を一定比率持っておいた方が賢明です。

これは生活防衛資金とは区別して考えます。現金比率の目安としては、金融資産全体の10~30%くらいを用意しておきたいです。たとえば下のようなアセットアロケーションです。
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このような全天候型ポートフォリオを構築することで、特定の景気局面で狼狽売りするなんてことも少なくなると思います。

仮に金を含めた現金比率が40%以上と多すぎれば、強気相場の恩恵を十分に享受することができず機会損失となってしまいかねませんが、反対に0~5%だと弱気相場で十分に買い増すことができないだけでなく、狼狽売りのリスクが高まりかねません。

最近投資を始めたばかりのような人たちは、「景気のタイミングを見計らって、ポートフォリオをダイナミックに動かせばいい」と安易に考える人がいるかもしれませんが、15年末の「利上げ」による暴落でダイナミックに株式を手放したあなたたちの先輩は、強気相場の恩恵を十分に享受できず後悔する羽目になりました。

また、昨年末の暴落局面では「どうして暴落しているのかわからない」という中で株はガラガラと崩れ落ちたことで、狼狽売りする投資家たちが散見されました。

このように、株式市場は「今から弱気相場が始まるよ!」とは教えてはくれないので、タイミングを計ることは困難です。結局、個人投資家ができることと言えば、適切なアセットアロケーションをデザインし、それをリバランス(配分調整)をしながら継続して守り続けることだけです。

グッドラック。

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