バフェット太郎です。

米国の景気拡大局面は来月で過去最長を記録するわけですが、それが終わるのも時間の問題かもしれません。

パウエルFRB議長が講演で「FRBは貿易動向の影響を注意深く監視しており、経済見通しが悪化した場合は利下げで対応する可能性がある」述べ、利下げを示唆しました。

また、セントルイス連銀のブラード総裁も「貿易戦争を巡る緊張の高まりや世界経済の減速懸念、および米国の低インフレをを踏まえると、近く利下げが正当化されうる」とし、利下げを示唆しました。

一方で、シカゴ連銀総裁のエバンス総裁はCNBCのインタビューで「市場は私が知らない”何か”を察知している可能性がある」と前置きした上で「経済のファンダメンタルズと個人消費は底堅く、金利を動かすことは急いでいない」とし、利下げ圧力を一蹴しました。

さて、市場は経済データに表れていない”何か”を察知しているかのように、年内の金利見通しを引き下げています。CMEフェドウォッチによれば、市場が予想する年内一回以上の利下げ確率は97.4%と利下げがほぼ確実視されています。
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また、市場は81.9%の確率で年内二回以上の利下げがあると予想しており、FRBの見通しと大きなギャップがあることがわかります。

過去を振り返れば、FRBは経済データ次第で金利を動かすため、金融政策は後手に回りやすいです。別の言い方をすれば、将来の見通しはFRBよりも市場の方が正しい場合が多いです。そのため、FRBの見方に反して、年内一回以上の利下げは濃厚と考えておいた方が良いです。

ところで、そもそも「利下げ」とは金融緩和を意味するため、通常なら株式市場にとって追い風となります。しかし、景気拡大期の最終局面で利下げに踏み切るということは、FRBが景気が悪化していることを認めたことに他ならなにため「売り」シグナルとなります。

事実、07年にFRBが利下げに踏み切ると、株式市場は短期的な上昇を見せたものの、勢いをすぐに失い、その後ズルズルと下げていきました。
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これは00年のドットコムバブル時も同じで、政策金利の引き下げとともに株価は下落していきました。
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つまり、市場が年内一回以上の利下げ確率を97.4%としていることは、97.4%の確率で年内に弱気相場が始まることを示唆していると言えるわけです。

米経済がリセッション(景気後退)入りすれば、政策金利が再びゼロに向かう可能性もあるため、世界の投資マネーは安全資産である債券や金に逃避する公算が大きいです。

グッドラック。

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