バフェット太郎です。

ドル円相場が1ドル108円台を割り込んだことから、個人投資家の中にはドル建て資産である米国株を積立投資することに、懐疑的な見方をしている人も少なくないと思います。

日本の個人投資家が米国株に投資した場合、株価の変動リスクだけでなく、為替の変動リスクもあるため、たとえ株価が上昇しても為替が下落すれば、含み益が相殺されてゼロになってしまったり、あるいはマイナスに落ち込んだりする場合もあるので、米国株はリスクが大きいなどと言われたりしているのです。

しかし、仮に「米国株は為替リスクがあって危険だ」という理屈が正しいのなら、「日本株は為替リスクがなくて安心だ」ということになります。

本当にそうでしょうか。

日本の主要企業の多くは、円高が企業業績の圧迫要因となっているため、為替リスクと無縁ではいられないことは周知の事実です。実際、過去を振り返ると、円高局面で日本株は軒並み低迷していたので「日本株は為替リスクがなくて安心だ」という理屈が間違っていることがわかります。

また、為替リスクが米国株投資のマイナス要因になるのなら、円建てのダウ平均は日経平均株価のリターンを下回っていなければおかしいことになります。しかし、過去を振り返ると大抵の期間においてダウ平均(円建て)が日経平均株価をアウトパフォームしていました。

【ダウ平均(円建て)と日経平均株価:1999末-2019】
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ダウ平均(円建て)と日経平均株価の長期チャートを眺めると、99年末をそれぞれ100とした場合、19年3月末のダウ平均は240と2.4倍も値上がりしたのに対して、日経平均株価のそれはわずか11%高の111に留まりました。

【ダウ平均(円建て)と日経平均株価:1999末-2007末】
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米国株式市場は01年にドットコムバブルが崩壊するとリセッション入りし、07年12月には米不動産バブルの崩壊で再びリセッション入りしましたが、99年末から07年末までのリターンはダウ平均(円建て)が+26%高だったのに対して、日経平均株価は-19%下落しました。

【ダウ平均(円建て)と日経平均株価:2007末-2019】
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また、08年の金融危機で米国株は大暴落しましたが、その後の強気相場で再び大きく上昇し、ダウ平均(円建て)はおよそ11年間で+91%高と日経平均株価の+37%を大きく上回りました。

このように、為替リスクを加味しても、米国株が日本株よりもリスクが高いとかパフォーマンスが悪いとは言えず、むしろ、日本株の弱さが目立ちました。

それにしてもなぜ、日本株は米国株をアンダーパフォームし続けるのでしょうか。結論から言えば、企業の本質的な価値が上昇していないからに他なりません。

たとえば、過去20年を振り返ると、米国はアップルやアマゾン・ドットコム、アルファベット、フェイスブックなど、ハイテク大手各社が革新的な製品とサービスで企業業績と企業価値を伸ばしてきましたが、日本を代表するトヨタやNTT、三菱UFJ、武田薬品などから、革新的な製品もサービスも生まれてきませんでした。

また、日本の時価総額ランキング上位100社を眺めても、世の中を大きく変える潜在的な力を持つ企業はほとんど見当たりません。

投資家の中には「日本株は米国株に比べてバリュエーションが割安だから魅力的」と言う人は少なくありませんが、これまでもバリュエーションが割安だと言われ続けてきたのにも関わらず、ダウ平均(円建て)にアンダーパフォームしたこと、そして企業価値を伸ばす潜在能力がないことを考えると、日本株は万年割安のゴミ株だと言えます。

こうしたことから、「米国株には為替リスクがあるからドル建て資産への積立投資は危ない」ということにはならず、これまでも、そしてこれからも、米国株は多くの個人投資家の主要な投資先であり続けます。

グッドラック。

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