バフェット太郎です。

3日のNYダウ株式市場は前日比+179.32ドル(+0.67%)高の2万6966.00ドルと、9カ月ぶりに史上最高値を突破しました。

【ダウ平均:2009-2019】
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過去10年の長期チャートを眺めると、ダウ平均が強気のトレンドチャネルを形成していることがわかります。トレンドチャネルの上限が2万9000ドルを上回っていることから、利下げへの期待感から短期的に見れば株高がさらに加速する公算が大きいです。

しかし、債券市場はすでに将来のリセッション(景気後退)を織り込むように、安全資産への逃避が加速しています。

【米10年債利回り:2009-2019】
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米10年債利回りは18年11月の3.24%をピークに、一貫して下落(価格は上昇)しており、投資マネーが債券市場に流入していることがわかります。

株式投資家が米経済に楽観的であるのに対して、債券投資家は悲観的に見ていることから、どちらか一方が正しく、もう一方が間違っていると言えます。過去の経験則で言えば、概して債券投資家の方が正しいものです。

事実、失業率は3.6%と歴史的な低水準ではあるものの、米ISM製造業景況指数は新規受注が景気拡大と縮小の分岐点となる50に到達したほか、米ADP非農業部門雇用者数は雇用市場が減速していることを示唆するなど、米経済が少しずつ崩れ始めていることがわかります。

そのため、利下げへの期待感から株高が進む公算が大きいものの、過度な楽観は禁物です。また、景気が悪化した場合、FRB(米連邦準備制度理事会)にほとんど打つ手がないことも投資家は憂慮すべきです。

【政策金利の推移と景気後退:1988-2019】
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過去30年を振り返ると、リセッションは90年、01年、07年の三回ありました。リセッション直前のフェデラルファンド金利の実行水準のピークは、それぞれ90年が9.81%、01年が6.51%、07年が5.26%と、現在の2.38%は07年の半分にも満たない低金利です。

景気悪化に対応するかたちでFRBが政策金利を引き下げても、すぐにゼロ金利に到達してしまうため、マイナス金利の導入が再び議論されかねません。マイナス金利の導入については、2010年にFOMC(連邦公開市場委員会)でも議論されましたが、金融機関の収益悪化などの副作用を理由に採用されませんでした。

また、今後、マイナス金利が採用される可能性についても低いと見られていることから、FRBはやはり打つ手がほとんどなく、景気悪化は予想以上に米経済に打撃を与えかねません。

グッドラック。

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