バフェット太郎です。

強気相場の最終局面では、多くの投資家がリスクを軽視するものです。これは、好調な企業業績と経済指標に支えられて株価が大きく値上がりしたことで、多くの投資家が自分は平均以上の投資家だと錯覚する傾向にあるためです。

たとえば、1969年『ビジネス・ウィーク』誌が「全米ファンドマネジャー」と称して、フレッド・カー氏を取り上げました。

カー氏は1958年に誕生した米名門フィデリティのアグレッシブ・グロース・ファンドのファンドマネジャー、ジェネラルド・サイ氏の成功の後に出てきたグロース株ファンドのファンドマネジャーです。

当時(60年代後半)、好景気だった米国経済は「ゴーゴーファンド」と呼ばれるブームに沸き、多くのアクティブ・ファンドが短期的な値上がり益を求めて投機に走っており、カー氏が運用するファンドの年間成績は+116%と驚異的な数字を叩き出しました。ちなみに、著名投資家ウォーレン・バフェット氏の同年の投資成績は+59%だったことから、バフェット氏に対する風当たりは強かったそうです。

しかし、バフェット氏はこれに動じることなく、自身の顧客に対して「”一瞬の高い利益”を追うならフレッド・カー氏のファンドに投資した方が良い」とアドバイスしたそうです。

【ダウ平均:1967-1970末】
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その後、ダウ平均がわずか一年半で-36.3%暴落すると、フレッド・カー氏の持ち株は大暴落し、ファンドは廃業に追い込まれました。

このように、リスクを無視して目先のリターンだけを追求すれば、破滅的な結果に繋がるのです。

しかし、クソダサい投資家ほどカー氏のように、物事がうまくいっている時ほど過信し、リスクを軽視してリターンの最大化ばかり追求するものです。

事実、目先のリターンばかり考えているクソダサい投資家ほど、直近の数年間で最もパフォーマンスが良かった「FAAMG」などの大型ハイテク株に集中投資しがちです。

大型ハイテク株への投資は5年前から始めれば投資家に大きなリターンをもたらしたわけですが、今後10年間に渡って同様のパフォーマンスが期待できるかどうかは誰にもわかりません。むしろ、値上がりが大きかった分、今後は伸び悩む公算が大きいです。

ちなみに5年前と言えば、多くの個人投資家が一般消費財株や資本財株、あるいはバイオ株に夢中になっていた年であり、ハイテク株に注目していた投資家はほとんどいませんでした。

こうしたことから、多くの個人投資家は将来何が値上がりするのかを予想することができないことがわかります。また、フレッドカー氏がリスクを無視した結果ファンドの廃業に追い込まれたわけですから、多くの個人投資家は、目先のリターンばかり追求するのではなく、リスクを注視し、長期の資産形成に取り組んだ方が賢明です。

グッドラック。

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