バフェット太郎です。

米経済は景気拡大から10年経つわけですが、長すぎる景気拡大は”解釈の歪み”が生まれる原因になりかねません。つまり、多くの投資家はあらゆる出来事を楽観的に捉えるリスクが高まっているということです。

たとえば、景気拡大が示唆される「堅調な経済指標」は株高要因となりますが、景気後退が示唆される「軟調な経済指標」はFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げへの期待感から株高要因となります。

つまり、経済指標が堅調であろうが軟調であろうが、楽観的な強気相場では、いずれも株高要因となり得るわけです。

その他のパターンを見ると、たとえば銀行が「10億ドルの利益」を計上すると、景況は良好として株高要因となりますが、反対に「10億ドルの損失」を形状しても、悪材料出尽くしと考えられて株高要因となります。

また、「原油価格が上昇」すれば、世界的な景気拡大で需要が増大しているとして株高要因となる一方、「原油価格が下落」すれば、ガソリンに支払う金額が少なくなる分、消費者の購買力が高まり株高要因となります。

さらに、「ドル安」は旅行客の購買力を高める要因となるほか、米国の輸出企業にとって輸出競争力を高めることに繋がるため株高要因となり、「ドル高」は輸入品価格が低下することで国内の消費が活発になるほか、国外から原材料や製品を輸入する企業にとって追い風が吹くため株高要因となります。

加えて、「インフレ率が上昇」すれば資産価格の上昇を意味するため株高要因となり、「インフレ率が低下」してもFRBが利上げを急いでいないとして株高要因となります。

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このように、あらゆる出来事は楽観的な強気相場の中では株高要因として解釈されますが、反対に悲観的な弱気相場では株安要因となり、どんな材料も否定的に解釈されるものです。

つまり、市場の解釈は市場心理の浮き沈みによって左右されやすいというわけです。そのため、投資家はいかなる景気局面でも冷静にならなければならないのです。

たとえば、多くの投資家の頭の中は一部のハイテク株に対してバラ色のお花畑状態になっており、リスクを軽視しています。彼らは何もかも都合よく解釈するため、多くの場合、物事が悪い方向に行くことなどあり得ないと考えているのです。

そして、状況はさらに良くなると固く信じており、「そう考えられない人たちは想像力が欠如した時代遅れの人たち」として一生に付すわけです。

しかし、現実はそのように物事がうまく進み続ける保障はありません。たとえば規制や税制が変更すれば、投資家心理が著しく後ろ向きになり、株価は急落しかねません。事実、数年前までブームに沸いたバイオ株は薬価引き下げ問題を受けて株価が急落しました。

賢明な投資家とは、物事の良し悪しを客観的に評価し、冷静に分析するものです。しかし、多くのクソダサい投資家らは陶酔感と楽観主義から物事を過度に肯定的に捉え、盲目的になっています。

グッドラック。

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