バフェット太郎です。

米国株式市場が史上最高値を更新する中、リセッション(景気後退)の前触れとして知られる長短金利差の逆転現象、いわゆる逆イールドカーブが解消されつつあります。過去の経験則に従えば、これはリセッションが近いことを意味します。

【米10年債利回りー米3ヶ月債利回りの推移:1982-2019】
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過去三回のリセッションを振り返ると、いずれも逆イールドカーブが解消されてから2~7カ月後にリセッション入りしていたことがわかります。具体的に言えば、90年のリセッションは七カ月後、01年は二カ月後、07年は四カ月後でした。

現在の米10年債利回りが2.12%であるのに対して、米3ヶ月債利回りは2.14%と、金利差はわずか0.2%ポイントしかないことを考えると、逆イールドカーブの解消は近いと言えます。

とはいえ、株式市場が史上最高値を更新する中で、本当にリセッションが差し迫っているのでしょうか。たしかに世界の経済成長は鈍化しつつありますし、貿易戦争の激化で中国経済は失速していますが、FRBによる利下げで世界経済が持ち直すかもしれません。少なくとも、今のところ米国経済は堅調であり、リセッションが差し迫っているような緊迫感はありません。

ただし、市場参加者の多くはリセッションが訪れるまでリセッションに気づかないどころか、リセッション入りしたとしても、それにすら気づかないので、そもそも「差し迫った緊迫感」すら感じられないものなのかもしれません。

事実、過去を振り返ると08年1月にベン・バーナンキFRB議長は「今のところ、リセッションはないと見ている」と発言したのですが、全米経済研究所が後に公表した報告書によれば、米経済は07年12月からリセッション入りしていたとのこと。

つまり、ベン・バーナンキFRB議長は、米経済が08年1月時点ですでにリセッション入りしていたにも関わらず、それに気づかなかったのです。そして、多くの投資家らも同様にリセッション入りしていることに気づきませんでした。

従って、おそらく今回も米経済がリセッション入りしつつあることに、パウエルFRB議長も投資家らも気づかないのだろうと思います。

そのため、今後米10年債利回りが急騰(価格は下落)することで、米3カ月債利回りとの金利差が急上昇する場面が訪れれば、それはたとえ経済が堅調に見えたとしても憂慮した方が良さそうです。なぜなら、過去三回のリセッションはいずれも金利差が急上昇した後に訪れているからです。

グッドラック。

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