バフェット太郎です。
投資家の中には、「利益が取り崩されるだけだから、企業価値はいつまで経っても増えない(それどころか税金まで支払うことになる)」と、配当株に否定的な意見を持つ人も少なくありません。
たしかに、配当株の代表格として知られるタバコ株は、稼いだ利益の大半を配当として株主に還元するので純資産が一向に増えません。事実、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)のBPS(一株当たりの純資産)はマイナスであり、債務不履行状態に陥っています。
【フィリップ・モリス・インターナショナル:PM】
とはいえ、タバコは販売数量が伸びにくい一方、販売価格を引き上げることができ、さらに販売動向は景気に左右されにくいため業績は安定しやすいです。そのため、投資家は配当を再投資することで、株数を増やすことができるので、長期的に見れば資産を拡大させやすいです。
ただし、短期的に見れば株価のボラティリティ(変動率)を補うほどではないので、含み損を抱えることもあります。また、投資家の中には「ディフェンシブ銘柄は暴落しないもの」と誤解している人がいますが、ディフェンシブ銘柄は業績が安定しているだけで株価が安定しているわけではありません。この辺を誤解していると、タバコ株が暴落した際に「歴史的な大事件」が起きたと勘違いして狼狽売りに走ったりします。
ところで、投資家の中には配当株に比べて無配株の方が報われると勘違いしている人も少なくありません。しかし、無配株は「合成の誤謬」が起きるため、無配株の投資が必ずしも報われるとは限りません。
たとえば、不況に備えて貯蓄をすれば、それは個人の最適解ではあるものの、全体が貯蓄ばかりすれば経済にお金が出回らなくなるので不況を加速させるだけです。つまり「合成の誤謬」とは、個人の最適解をあらゆる個人が同じように動くことで全体にとって悪影響を及ぼすということです。
無配を貫く企業は稼いだお金を内部留保として貯め込むだけでは新たな価値を生み出さないので、配当として株主に還元するか、あるいは自社の事業に再投資することで、さらなる利益を生み出さなければなりません。新興株や成長株の大半は、事業に成長余地があるため利益を再投資した方が合理的です。
しかし、そこで「合成の誤謬」という問題が起こるわけです。つまり、あらゆる新興株や成長株が事業に再投資をし、効率性、生産性を高めれば、お互いがシェアを奪い合うことになり、結果的に価格が下がり、利益率が低迷するわけです。(そしてその恩恵を消費者が手にするわけだけれど。)
従って、事業に再投資してさらなる利益を手にするためには、それが競合他社が真似できない独自の製品やサービスでなければならないわけです。そしてそれは今後も他社からシェアを奪われない競争優位性があるものでなければなりません。
我々は、無配株のアマゾンやアルファベット、フェイスブックがそれを手にしていることを知っています。しかし、それは結果論に過ぎず、将来もそれが保障されているわけではないのです。つまり、これから手にする利益を事業に再投資した際、各社がそれぞれのシェアを奪い合うことになれば、結果的に利益率が低下する可能性があるのです。そうなれば、期待が大きかった分、失望も大きくなるため、株価への影響も大きくなります。
また、その他の無配新興株や成長株が大企業の脅威に晒される中で、利益を再投資した末に事業を成功させることができるかどうかは今の時点で誰にもわかりません。これらへの投資が報われるのは、競合他社がマネできない事業やサービスを育てた時だけだからです。
もちろん、それを予め予想して投資をするというのが投資の醍醐味だということは理解できます。とはいえ、将来に備えた資産形成を目指している人が、そうしたよく理解できないことに投資しすぎるのも考え物です。
従って、多くの個人投資家は一握りの優良株やS&P500インデックスファンドに投資して、配当を再投資し続けた方が賢明と言えるわけです。
グッドラック。
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投資家の中には、「利益が取り崩されるだけだから、企業価値はいつまで経っても増えない(それどころか税金まで支払うことになる)」と、配当株に否定的な意見を持つ人も少なくありません。
たしかに、配当株の代表格として知られるタバコ株は、稼いだ利益の大半を配当として株主に還元するので純資産が一向に増えません。事実、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)のBPS(一株当たりの純資産)はマイナスであり、債務不履行状態に陥っています。
【フィリップ・モリス・インターナショナル:PM】
とはいえ、タバコは販売数量が伸びにくい一方、販売価格を引き上げることができ、さらに販売動向は景気に左右されにくいため業績は安定しやすいです。そのため、投資家は配当を再投資することで、株数を増やすことができるので、長期的に見れば資産を拡大させやすいです。
ただし、短期的に見れば株価のボラティリティ(変動率)を補うほどではないので、含み損を抱えることもあります。また、投資家の中には「ディフェンシブ銘柄は暴落しないもの」と誤解している人がいますが、ディフェンシブ銘柄は業績が安定しているだけで株価が安定しているわけではありません。この辺を誤解していると、タバコ株が暴落した際に「歴史的な大事件」が起きたと勘違いして狼狽売りに走ったりします。
ところで、投資家の中には配当株に比べて無配株の方が報われると勘違いしている人も少なくありません。しかし、無配株は「合成の誤謬」が起きるため、無配株の投資が必ずしも報われるとは限りません。
たとえば、不況に備えて貯蓄をすれば、それは個人の最適解ではあるものの、全体が貯蓄ばかりすれば経済にお金が出回らなくなるので不況を加速させるだけです。つまり「合成の誤謬」とは、個人の最適解をあらゆる個人が同じように動くことで全体にとって悪影響を及ぼすということです。
無配を貫く企業は稼いだお金を内部留保として貯め込むだけでは新たな価値を生み出さないので、配当として株主に還元するか、あるいは自社の事業に再投資することで、さらなる利益を生み出さなければなりません。新興株や成長株の大半は、事業に成長余地があるため利益を再投資した方が合理的です。
しかし、そこで「合成の誤謬」という問題が起こるわけです。つまり、あらゆる新興株や成長株が事業に再投資をし、効率性、生産性を高めれば、お互いがシェアを奪い合うことになり、結果的に価格が下がり、利益率が低迷するわけです。(そしてその恩恵を消費者が手にするわけだけれど。)
従って、事業に再投資してさらなる利益を手にするためには、それが競合他社が真似できない独自の製品やサービスでなければならないわけです。そしてそれは今後も他社からシェアを奪われない競争優位性があるものでなければなりません。
我々は、無配株のアマゾンやアルファベット、フェイスブックがそれを手にしていることを知っています。しかし、それは結果論に過ぎず、将来もそれが保障されているわけではないのです。つまり、これから手にする利益を事業に再投資した際、各社がそれぞれのシェアを奪い合うことになれば、結果的に利益率が低下する可能性があるのです。そうなれば、期待が大きかった分、失望も大きくなるため、株価への影響も大きくなります。
また、その他の無配新興株や成長株が大企業の脅威に晒される中で、利益を再投資した末に事業を成功させることができるかどうかは今の時点で誰にもわかりません。これらへの投資が報われるのは、競合他社がマネできない事業やサービスを育てた時だけだからです。
もちろん、それを予め予想して投資をするというのが投資の醍醐味だということは理解できます。とはいえ、将来に備えた資産形成を目指している人が、そうしたよく理解できないことに投資しすぎるのも考え物です。
従って、多くの個人投資家は一握りの優良株やS&P500インデックスファンドに投資して、配当を再投資し続けた方が賢明と言えるわけです。
グッドラック。
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