バフェット太郎です。

タバコ世界最大手のフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)が第2四半期決算を発表しました。内容は良かったです。

EPSは予想1.32ドルに対して、結果1.46ドルと予想を上回りました。

売上高は予想73億8000万ドルに対して、結果77億ドルと予想を上回りました。

19年通期EPS見通しは旧ガイダンス4.87ドル以上に対して、新ガイダンス4.94ドル以上に上方修正されました。

消費者の健康志向とタバコ離れが加速したことで、紙巻きタバコの販売数量は前年同期比3.6%減少しました。しかし、売上高は0.3%の減収とほぼ横ばいだったことに加えて、営業利益は3.8%の増益、さらに営業利益率は41.7%と1.7%ポイント改善しました。

多くの人たちは消費者のタバコ離れが加速する中で、タバコ会社の業績は悪化の一途を辿っているものと思い込んでいますが、実際のところはほとんど落ち込んでいません。なぜ、このようなことが起こるのかと言えば、販売数量の減少をタバコ価格の値上げでカバーしているためです。

そのため、タバコ会社の業績はタバコの販売数量が落ち込んでも傾かないのです。

【紙巻きタバコの販売数量】
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紙巻きタバコの販売数量は米国を除く全世界で-3.6%、EU-3.4%、東ヨーロッパ-4.8%、中東&アフリカ-7.4%、南・東南アジア+3.5%、東アジア&オーストラリア-8.4%、ラテンアメリカ&カナダ-8.6%でした。

南・東南アジアの販売数量だけが増加しましたが、これは同地域で加熱式タバコが未だ販売されていないためです。

【加熱式タバコの販売数量】
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加熱式タバコの販売数量はEU、東ヨーロッパ地域で100%以上の伸び率を示しています。また、東アジア&オーストラリアは+7.5%と、第1四半期の-6.7%から大幅に改善しました。

【地域別売上高】  
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【地域別売上高:前年同期比】
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フィリップ・モリス・インターナショナルの地域別売上高を眺めると、EU(33%)と東アジア&オーストラリア(20%)の二地域で売上高の半分を稼いでいることがわかります。この二地域の売上高はそれぞれ前年同期比+3.0%、+2.9%と、紙巻きタバコの販売数量が落ち込んでいるにもかかわらず増収を確保しました。

【地域別営業利益】
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【地域別営業利益率:前年同期比】
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地域別営業利益と営業利益率の前年同期比を眺めると、営業利益全体の二割を占める「東アジア&オーストラリア」が+28.9%と大幅な増益を確保していることがわかります。これは韓国で販売管理費および研究費が減少したことに加えて、日本での加熱式タバコの販売が堅調だったことが寄与したためです。

【地域別営業利益率】
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タバコ産業は参入障壁が高いことに加えて、莫大な広告宣伝費や研究開発費を必要としないことから、営業利益率はどの地域でも30%を超えています。とりわけ先進国が集まる「EU」と「東アジア&オーストラリア」の二地域で収益性が高く、それぞれ46.4%、42.2%となっています。

【フィリップ・モリス・インターナショナル:PM】
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好調な四半期決算を好感して、株価は前日比+6.48%高と急騰し、200週移動平均線を上にブレイクアウトしました。

フィリップ・モリス・インターナショナルは、規制上の問題をいくつか抱えていることからこれまで割安な価格で放置されてきましたが、今後は好調な業績と金利の下落、そして景気後退への懸念の高まりを受けて、見直し買いが入る可能性が高いです。

グッドラック。

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