バフェット太郎です。

金鉱株の代表的なETFである「ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF(GDX)」がレジスタンス(上値抵抗線)を上に大きくブレイクアウトしました。

【ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF(GDX):週足】
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金鉱株上昇の背景には金価格の上昇が挙げられますが、金価格はFRBによる利下げへの期待感と地政学的リスクの高まりを受けて強気相場入りしているためです。

【金先物価格:週足】
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金先物価格は1350ドルのレジスタンスを上に大きくブレイクアウトしただけでなく、18年の底値1167ドルから+20%の1400ドルを上回ったことから強気相場入りが確認されました。今後、1350ドル水準がサポートラインとなり、強気トレンドが継続する公算が大きいです。

金の追い風要因のひとつに地政学的リスクの高まりが挙げられます。

18日、米海軍の艦艇「USSボクサー」がペルシャ湾のホルムズ海峡でイランの無人偵察機を撃墜しました。一方、イラン側は「自国の無人偵察機を失ったという情報は入っていない」とし、さらに、ペルシャ湾で原油を密輸していたとしてパナマ船籍の石油タンカーを拿捕したと発表しました。

5月にはホルムズ海峡で石油タンカー4隻が攻撃を受けたことに加え、7月には英国のタンカーの航行が妨害されており、いずれもイランが関与していると見られるものの、イランはそれを否定するなど、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡で緊張感が高まっています。

また、利下げへの期待感も金の追い風となっています。

NY連銀のウィリアムズ総裁は「金利がゼロ近辺の時には、低すぎるインフレにすばやく対応する追加刺激策が必要」とし、「景気が悪化するまで待つことはできない」との認識を示しました。

また、シカゴ連銀のエバンス総裁も「経済は堅調」としつつも「不確実性が高まっている上、インフレが目標とする2%を下回り続けているため、インフレを押し上げる措置を講じる必要がある」と話しました。さらに、「向こう3年でインフレ率2.25%に到達させるためには、0.50%ポイントの利下げが必要と考えるが、実際にはそれでは不十分かもしれない」とし、さらなる利下げを示唆しました。

加えて、パウエルFRB議長もパリでの講演で、「米国の経済情勢は世界の他地域に影響する。その逆もまた然りだ」と述べ、世界経済の成長鈍化と貿易戦争への懸念を示しました。

こうしたFRB高官のハト派寄りの発言を受けて、投資家らが7月末のFOMCで0.50%ポイント(通常の二回分)の利下げがあると見る確率は44.2%と、一カ月前の17.9%から大幅に上昇しています。また、市場参加者は年内二回(0.50%)の利下げがあると見る確率は94.7%、三回(0.75%)の利下げがあると見る確率は70.4%と、一段と利下げが進むと見ています。

金利の下落は利息を生まない金や、それを採掘する金鉱株の相対的な魅力を増すことを意味します。特に小型金鉱株や採掘コストの高い金鉱株は大きな値上がり益が期待できます。

【ハーモニー・ゴールド(HMY):週足】
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金鉱株の中でも小型で採掘コストの高い南アのハーモニー・ゴールド(HMY)は200週移動平均線を上にブレイクアウトし、16年の高値4.70ドルをターゲットに上昇する公算が大きいです。同社は有利子負債が少なく、実質無借金経営であることから倒産リスクも低いです。

グッドラック。

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