バフェット太郎です。
今週、FRB(米連邦準備制度理事会)は米経済が堅調な中、2008年以来11年ぶりの利下げに踏み切ると見られています。
そもそも利下げというのは金融緩和を意味するため、景気が悪化する中で実施されるものなのですが、今回は米経済が依然として堅調な中で実施されます。
なぜ、FRBが米経済が堅調な中で利下げに踏み切るのかと言えば、世界経済が悪化する中で各国との金利差が拡大すれば、世界経済はより一層悪化し、ゆくゆくは米経済にマイナスの影響となって跳ね返ってくること、そして、低インフレが続けば将来のFRBの対応余地を狭めるため、景気の良い今のうちに利下げに踏み切ることでインフレを押し上げ、その後再び利上げに戻すことで、将来の対応余地を広げておきたいと考えているためです。
通常投資マネーとは、金利の低い所から高い所へと流れるものです。そのため、各国が景気悪化に対応する形で自国の金利を引き下げれば、米国との金利差が拡大します。すると、世界の投資マネーは景気が悪く金利の低い国から流出する一方、景気が良く金利の高い米国に流入することで為替はドル高に動きます。
ドル高が加速すれば、景気が悪く金利の低い国のドル建て債務が膨張するだけでなく、輸入物価が上昇し、景気がさらに悪化してしまいかねません。以前にも増して米経済と世界経済のつながりが深まっていることを考えれば、FRBは世界経済の悪化をいつまでも無視し続けることはできないのです。

また、米国のインフレが弱すぎることも問題です。なぜなら、低インフレを背景とした低金利はFRBによる景気悪化時の対応余地を狭めることにつながるからです。
これまでFRBは、利上げも利下げも必要としない「中立金利」を2.5%~3.5%の間で見ていたのですが、インフレが弱すぎることからこの中立金利を従来の想定よりも引き下げました。
先にも述べた通り、利下げは金融緩和を意味するため、景気が悪化する中で実施されるものです。しかし、低インフレのせいで中立金利の低迷が続けば、景気悪化時にFRBは十分な利下げを実施することができません。
そのため、FRBは米経済が堅調なうちにインフレを押し上げることで中立金利を引き上げ、景気悪化時に備えて対応余地を広げておきたいと考えているわけです。
つまり、FRBは世界経済の失速と低インフレに対応するために利下げに踏み切ります。
ちなみに、インフレを押し上げるためには、金利を現在の水準から少なくとも0.50%ポイント引き下げる必要があると見られています。これは通常の利下げ幅の二回分を意味しますから、少なくとも二回の利下げがあることが予想されます。
それでもインフレを押し上げることができなければ、金利は一段と引き下がることが予想されるわけですが、さらなる利下げはインフレの急加速と米経済のバブルを誘発する可能性がるなど、副作用のリスクが高まります。
いずれにせよ、投資家はFRBによる利下げで世界経済の成長減速に歯止めがかかっているのか、そして、米国のインフレを押し上げているのかどうかを注視する必要があります。
グッドラック。
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今週、FRB(米連邦準備制度理事会)は米経済が堅調な中、2008年以来11年ぶりの利下げに踏み切ると見られています。
そもそも利下げというのは金融緩和を意味するため、景気が悪化する中で実施されるものなのですが、今回は米経済が依然として堅調な中で実施されます。
なぜ、FRBが米経済が堅調な中で利下げに踏み切るのかと言えば、世界経済が悪化する中で各国との金利差が拡大すれば、世界経済はより一層悪化し、ゆくゆくは米経済にマイナスの影響となって跳ね返ってくること、そして、低インフレが続けば将来のFRBの対応余地を狭めるため、景気の良い今のうちに利下げに踏み切ることでインフレを押し上げ、その後再び利上げに戻すことで、将来の対応余地を広げておきたいと考えているためです。
通常投資マネーとは、金利の低い所から高い所へと流れるものです。そのため、各国が景気悪化に対応する形で自国の金利を引き下げれば、米国との金利差が拡大します。すると、世界の投資マネーは景気が悪く金利の低い国から流出する一方、景気が良く金利の高い米国に流入することで為替はドル高に動きます。
ドル高が加速すれば、景気が悪く金利の低い国のドル建て債務が膨張するだけでなく、輸入物価が上昇し、景気がさらに悪化してしまいかねません。以前にも増して米経済と世界経済のつながりが深まっていることを考えれば、FRBは世界経済の悪化をいつまでも無視し続けることはできないのです。

また、米国のインフレが弱すぎることも問題です。なぜなら、低インフレを背景とした低金利はFRBによる景気悪化時の対応余地を狭めることにつながるからです。
これまでFRBは、利上げも利下げも必要としない「中立金利」を2.5%~3.5%の間で見ていたのですが、インフレが弱すぎることからこの中立金利を従来の想定よりも引き下げました。
先にも述べた通り、利下げは金融緩和を意味するため、景気が悪化する中で実施されるものです。しかし、低インフレのせいで中立金利の低迷が続けば、景気悪化時にFRBは十分な利下げを実施することができません。
そのため、FRBは米経済が堅調なうちにインフレを押し上げることで中立金利を引き上げ、景気悪化時に備えて対応余地を広げておきたいと考えているわけです。
つまり、FRBは世界経済の失速と低インフレに対応するために利下げに踏み切ります。
ちなみに、インフレを押し上げるためには、金利を現在の水準から少なくとも0.50%ポイント引き下げる必要があると見られています。これは通常の利下げ幅の二回分を意味しますから、少なくとも二回の利下げがあることが予想されます。
それでもインフレを押し上げることができなければ、金利は一段と引き下がることが予想されるわけですが、さらなる利下げはインフレの急加速と米経済のバブルを誘発する可能性がるなど、副作用のリスクが高まります。
いずれにせよ、投資家はFRBによる利下げで世界経済の成長減速に歯止めがかかっているのか、そして、米国のインフレを押し上げているのかどうかを注視する必要があります。
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