バフェット太郎です。

32年前の1987年10月、ダウ平均が過去最高値の2700ドルを更新した頃、『ウォール街で勝つ法則』の著者ジェームズ・オショーネシー氏は、米国株のPERがわずか一年で16倍から21倍へと上昇したことを理由に割高であると確信し、空売りを仕掛けました。

すると、ダウ平均は前日-4.6%安と過去最大の下げ幅を記録し、オショーネシー氏の読み通りとなったわけですが、この「過去最大の下げ幅」にオショーネシー氏はパニックになりました。なぜなら、「過去最大の下げ幅」は「完全なる売られすぎ」を意味し、株価の急反発が予想されるからです。

つまり、オショーネシー氏はこのまま空売りポジションを放置すれば、買い戻しによる株価の急反発で大損してしまう可能性が出てくるのです。また、この日は週末でポジションを持ち越したくないという理由も重なってオショーネシー氏は急いでポジションを手仕舞ったのです。

しかし、週明けの株式市場は後に「ブラック・マンデー」と呼ばれる大暴落み見舞われました。この日、ダウ平均はたったの一日で22.6%安と大暴落したのです。仮に現在の株価に当てはめれば6000ドル分が消失したことになります。

もし、オショーネシー氏が空売りのポジションをそのままにしていれば、儲けは約10倍にもなっていたそうですが、投資の世界で「タラレバ」を言っていてはキリがありません。 とはいえ、我々がオショーネシー氏から学ぶべき教訓があるはずです。
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まず、リスクの高すぎる取引は控えなければなりません。なぜなら、相場とは人々の思い通りに動いてくれるわけではなく、暴落も暴騰も突然やってくるからです。そのため、リスク許容度を超えた取引は大儲けする可能性があるものの、同時に大損する可能性もあるため、リスクの高すぎる取引はギャンブルと同じです。

また、こうした暴落局面で多くの投資家たちは身動きが取れませんでした。なぜならこれまでの強気相場で積極的に株を買い進めたことで十分な現金がなかったからです。そのため、株式市場が暴落して株を割安で取得するチャンスがあったのにも関わらず、買い増すことができなかったのです。

この時、資産運用会社のサウスイースタン・アセット・マネジメントはポートフォリオの25~30%を現金で保有していたことから、果敢に買い向かったそうです。同社の副会長であるステイリー・ケイツ氏によれば「もし、25~30%もの現金がなければ我々は買い注文を出すことができなかっただろう」とのこと。

そのため、多くの個人投資家はリスクの高い取引は控えること、そして誰もが悲観的になるような弱気相場で果敢に買い向かえるだけ勇気となる現金を保有しておくことが大切です。

グッドラック。

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