バフェット太郎です。

FRB(米連邦準備制度理事会)がFOMC(連邦公開市場委員会)で大方の予想通り政策金利を0.25%ポイント引き下げ1.75~2.00%とすることを決定しました。

しかし、パウエル議長はFOMC後の記者会見で、今後の道筋に対してまちまちのシグナルを発したことから、株式市場は軟調な展開となりました。

今回のFOMCも前回に引き続きメンバー内で意見が分かれており、賛成7人、反対3人で、ブラード総裁は利下げ幅を0.50%とした一方、ジョージ総裁とローゼングレン総裁は据え置きを支持し、反対票を投じました。

また、同時に公表されたドットプロットを眺めると、FRB当局者の多くが年内の金利据え置きを想定していることが示唆されました。
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ドットプロットとはFRB当局者17人による年内の金利見通しのことで、赤枠の1.75~2.00%に5つのドットが並んでいることから、17人中5人が金利の据え置きを予想していることがわかります。

また、その上に5つ、下に7つのドットが並んでいることから、5人が年内一回の利上げが望ましいとする一方、7人は年内もう一回の利下げが望ましいとの立場であることを示唆しています。

FRB内部で意見が別れている理由は、堅調な労働市場と好調な個人消費、そしてインフレが上向きつつあることから、これ以上の利下げは景気を必要以上に過熱させてしまうと考える当局者がいる一方で、貿易摩擦や世界経済の減速がいずれ米経済に波及し、リセッション(景気後退)のリスクを高めると危機感を抱いている当局者がいるためです。

パウエルFRB議長もFOMC後の記者会見で、米経済は良好との認識を示した一方で、「世界経済の減速を考慮して利下げを決定した」と述べました。また、今後の景気拡大の維持には「緩やかな」政策変更で十分との認識を示しました。

さらに、企業の設備投資と輸出が弱まっていることを背景に、経済が弱まれば「より大幅な追加利下げも必要になるかもしれない」と、追加利下げに含みを持たせました。ただし、この発言は「予想する展開ではない」と前置きしていることから、追加の利下げを期待できる発言ではありません。

また、政策金利は過去の平均的な水準と比べると依然として低水準で、リセッション局面での利下げ余地がほとんどないことからも、追加の利下げはあまり期待できそうもありません。

とはいえ、昨年末のFOMC後に株式市場が急落した一方、今回のFOMC後に株式市場が急落しなかったことを考えると、FOMCメンバーの見解の相違に対して、投資家らは概ね理解を示していることを意味します。

言い方を変えれば、投資家もFRB当局者も先行き見通しに確信が持てない状況であることを意味し、いずれにせよ経済動向次第で相場の流れは大きく変わるため、先走った投資判断は禁物です。

グッドラック。

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