バフェット太郎です。

ぼくが投資対象としている銘柄はどれも3%以上の高配当株で、配当性向も50%以上であることが多いです。これらの銘柄は下落相場においてプロテクターの仕組みが働きやすいです。そのため、先週末のIBM株の買い増しは「下落相場のプロテクター」効果が期待できます。

「下落相場のプロテクター」とは、株価が下がれば下がるほど配当利回りが高くなるので、配当を目的とした買いが入りやすく、結果的に株価は底堅く推移する場合が多いというものです。ただし、注意しなければならないことは、株価が下がることは何か悪材料を含んでいることですから、その悪材料により、配当が減配、あるいは無配に転じてしまうことは避けなければなりません。

ようするに「下落相場のプロテクター」を期待して良い株とは、安定したキャッシュフローが見込めるビジネスであり、増配実績が20年以上あることが望ましいです。具体的なセクターを上げれば生活必需品セクターや資本財セクターなどです。そのため、配当再投資を戦略とする投資家のポートフォリオは生活必需品セクターと資本財セクターが多くなりがちです。

また、高配当株の株価低迷は、長期的にみるとパフォーマンスの最大化に寄与してくれます。ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』によれば、タバコ最大手のフィリップ・モリスは株価の低迷がパフォーマンスに与えた影響について論じられています。

フィリップ・モリスの株価は1992年から2003年4月までの12年間、28ドルで始まり28ドルで終わりました。一方でS&P500は380ドルから800ドルと二倍も値上がりしました。

フィリップ・モリスは訴訟問題で株価は低迷し、配当利回りは一時9%にもなりましたが、タバコ販売によるキャッシュフローは安定していたため、配当を毎年増配して株主に還元していました。それが結果的に配当を再投資した投資家の保有株数を倍増させ、トータルリターンを押し上げました。ただ、2003年4月までのパフォーマンスはそれでも年率7.15%とS&P500に比べてパフォーマンスは劣っていました。

しかし、訴訟問題が落ち着くと、株価はわずか半年で二倍近く上昇し、2003年末までの12年間の最終的なトータルリターンはS&P500を上回ったそうです。

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何年も株価が値上がりしないようなバリュー株銘柄への投資は、誰もが買うことに消極的になってしまうものです。そのため配当再投資を途中で挫折して、値上がり益の期待できるグロース株やモメンタム株に資金を移してしまいます。

配当再投資戦略において重要なことは、銘柄選びだけではなく辛抱強く、忍耐力が必要なことです。そして配当だけでなく、追加の資金で買い増すことも重要です。

ぼくがIBM株を買い増しできたのは、計画的な資金計画に基づいて運用しているからです。こうした下落相場だからこそ、IBMのような優良株を積極的に買い向かい、平均取得価格を引き下げながら、持ち株を増やしていくことでリターンを最大化できるのです。従って、いくら優良銘柄に投資したとしても、無計画な運用でせっかくの下落相場をただ指をくわえて眺めているのは、経験の乏しい未熟な投資家のすることです。
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