バフェット太郎です。

米タバコ最大手のアルトリア・グループ(MO)が第3四半期決算を発表しました。内容はまちまちでした。

EPSは予想1.19ドルに対して、結果1.19ドルと予想に一致しました。

売上高は予想50億1100万ドルに対して、結果54億1200万ドルと予想を上回りました。

19年通期EPS見通しは旧ガイダンス4.19~4.27ドルを堅持しました。

2020年~2022年のEPS成長目標が7%~9%から、5%~8%に下方修正されました。

電子タバコ最大手ジュール・ラブズに対する減損損失45億ドルを計上しました。

【売上高構成比】
1
アルトリア・グループは主に「紙巻タバコ・葉巻」「電子タバコ」「ワイン」の三つの部門で成り立っていますが、「紙巻タバコ・葉巻」が全体の86%を占めていることから、最も重要性が高いです。

「紙巻タバコ・葉巻」の売上高は46億4300万ドルと、前年同期比+2.5%の増収でした。

「電子タバコ」の売上高は5億8700万ドルと、同+6.3%の増収でした。

【営業利益構成比】
2
「紙巻タバコ・葉巻」の営業利益は25億6100万ドルと、前年同期比+12.5%の増益でした。また、営業利益率は55.3%と、同+4.9%ポイント改善しました。

「電子タバコ」の営業利益は4億2200万ドルと、同+10.5%の増益でした。また、営業利益率は71.9%と、同+2.5%ポイント改善しました。

【各種成長率(対前年比)】
3
さて、喫煙者数の減少に伴い、タバコの販売数量が落ち込む中、多くの人々はタバコ株はオワコンで業績は悪化の一途を辿っていると信じてやみません。

事実、「紙巻タバコ・葉巻」の販売数量は前年同期比-6.5%と大きく落ち込んでいます。しかし、売上高は同+2.5%の増収、営業利益に至っては同+12.5%の増益を達成しています。

なぜ、タバコの販売数量が落ち込む中で業績が成長するなどという摩訶不思議なことが起きているのでしょうか。結論から言えば、販売価格が値上がりしているからに他なりません。

そもそも、売上高は「販売数量×販売価格」ですから、販売数量が落ち込んでも販売価格を値上げすれば、売上高を維持することができるのです。

とはいえ、一般的な商品やサービスが値上がりすれば、普通、客離れが加速して売上高が落ち込みます。しかし、タバコには依存症の原因となる「ニコチン」が含まれているため、客離れを起こしにくいのです。

結果、タバコ離れが加速する中で業績が成長するというわけです。

アルトリアは昨年12月、電子タバコ最大手のジュール・ラブズの株式35%を128億ドルで取得しましたが、今回、45億ドル(-35%)の減損損失を計上しました。すなわち、ジュールの時価評価額は一年前の約380億ドルから約240億ドルまで落ち込んだことになります。

【アルトリア・グループ(MO)週足】
4
株価は決算発表を受けて一時上昇する場面がありましたが、相場全体が下がる中で連れ安となっています。また、弱気のトレンドチャネルを形成していることに加えて50週移動平均線がレジスタンスとなっていることから、株価の上値は依然として重いままです

ただし、アルトリア株は安定したキャッシュフローと配当が期待できるため、投資家は株価が低迷している今こそ次の強気相場に備えて配当を再投資し続けなければなりません。

グッドラック。

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