
バフェット太郎です。
投資会社ソフトバンク・グループが第2四半期決算(IFRS:国際会計基準)を発表しました。内容は悪かったです。
EPSは予想-105.82円に対して、結果-345.19円と予想を下回りました。
売上高は予想2兆3730億円に対して、結果2兆3150億円と予想を下回りました。
ガイダンスの公表はありませんでした。これは未確定要素が多く、連結業績を見通すことが困難であるためです。
最終損益は-7000億円の赤字でした。これは主力のファンド事業「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が-9700億円と、巨額の赤字が発生したためです。
予想を下回る四半期決算が嫌気されて、PTS(夜間取引)では前日比-212円(-4.90%)安の4110円と急落しています。
投資家らの悲鳴が聞こえる中、孫正義会長は決算会見で「大勢に異常なし」として楽観的な見通しを示しました。これは、株主価値が前四半期に比べて1.4兆円も増加したことが背景にあります。

たとえば、同社が公表した資料によれば、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの評価額が-3000億円と減少したものの、armが+1000億円、スプリントが+2000億円、ソフトバンクが+1000億円、アリババに至っては+2兆円も増加したため、すべての保有株式の評価額を足し合わせると27兆9000億円と、前四半期から2兆1000億円も増えているのです。

そして、それぞれで純負債を差し引くと、19年第2四半期の株主価値は22兆4000億円と、前四半期の20兆9000億円から1兆4000億円増加しているというわけです。
そのため、投資家らは悲観する必要はないというわけです。

また、ソフトバンク・ビジョン・ファンドについても、評価減が22社あったのに対して、価値増が37社あり、投資利益は1兆2000億円生まれているとのこと。
しかし、これはかなり怪しいです。
なぜなら、同社の評価プロセスを採用した結果、ウィーワークの時価評価額が数カ月で80%も目減りしたことを考えれば、信頼性が低いと言えるからです。
たとえば、評価減の22社に含まれているのかどうかわかりませんが、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資した犬の散歩代行アプリの「ワグ(Wag)」はライバル企業のローバーと比べて売上成長率は悪く、すでに身売りを検討しているそうです。そして、その評価額はソフトバンク・ビジョン・ファンドが投資した額を大きく下回る公算が大きいです。
また、屋内農業の「プレンティ(Plenty)」やオンライン自動車リース会社の「フェア(Fair)」も巨額の投資を受け入れた後も経営に苦しんでいます。
加えて、中国の配車アプリ「滴滴出行(ディディチューシン)」や韓国のEC企業「クーパン(Coupang)」は現金燃焼率が高く、営業損失が拡大しており、さらなる追加資金を求めているそうです。
このように、問題児がウィーワークだけでないことを考えると、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの価値は予想よりもずっと少ない可能性があります。
また、株主価値についても、それを支えているのがアリババ(BABA)の株価であることを考えると、アリババが暴落したとき、ソフトバンク・グループの株主価値も大きく下がるため、ソフトバンク信者はビジョン・ファンドなんかよりもアリババの動向だけに注目した方が良さそうです。
グッドラック。

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