バフェット太郎です。

ウォールストリート・ジャーナルによれば、ソフトバンク・グループの「ビジョン・ファンド」が再び失敗したとのこと。

記事によれば、ビジョンファンドがかねてから出資していた犬の散歩代行アプリを手がけるワグ・ラブズの株式50%を同社に売却し、出資を引き上げるそうです。

ソフトバンクは今年、ワグ・ラブズに3億ドル出資しましたが、その際の時価評価額は6億5000万ドル(約700億円)だったのですが、今回の売却額はそれを大きく下回ると見られています。ちなみに、ワグ・ラブズはライバル企業のローバーと比べて売上成長率が低く、すでに身売りを検討しているとの報道もありました。(ローバーへの売却も検討されたそうですが、ローバーが拒んだそうです。)

さて、ビジョン・ファンドが再び失敗したとの報道を受けて、ソフトバンク信者は「投資がすべてうまくいくわけがない」とか「ビジョン・ファンドの運用規模を規模を考えればワグの失敗は悲観的になる必要はない」とか「挑戦に失敗はつきもの」「ワグの失敗は織り込み済み」と、必死になってソフトバンク・グループを擁護しています。

事実、ビジョン・ファンドの運用規模は10兆円で、ワグ・ラブズの時価評価額が700億円が90%目減りして70億円になったとしても0.06%程度の影響しかないので、そうした意見は概ね正しいです。(ちなみに、ウィーワークの時価評価額は当初の480億ドルから80億ドルと、80%以上目減りしています。)

【ソフトバンク・グループの保有株式(2020年3月期第2四半期)】
2
また、ソフトバンク・グループが保有する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の時価評価額は3兆2000億円しかないので、ワグの影響は極めて限定的であることがわかります。

しかし、ソフトバンク・グループの株価依然として低迷していることを考えれば、多くの投資家らはソフトバンク・グループの未来に慎重になっていることがわかります。

【ソフトバンク・グループ(OTC)】
3
チャートを眺めると、ソフトバンク・グループの株価は39.9ドルと、年初来高値の56.3ドルから30%値下がりしていることが確認できます。また、200週移動平均線を挟む日が続くなど方向感に乏しい展開が続いています。

これは、矛盾するようですがワグ・ラブズやウィーワークの失敗が影響しているからです。
1
かねてから孫正義氏は、「保有株式の時価評価額を加味すれば、株主価値は22兆円あり、現在の時価総額9兆円は割安である」と主張しています。その一方で、年初に発表したウィーワークの時価評価額が一年も満たないうちに80%も目減りしたことから、保有する株式の時価評価額の信ぴょう性が疑われる事態となっているのです。つまり、ワグやウィーワークで失敗したことで投資家らは「他の投資先もヤバいのでは?」と不信感を抱いているのです。

これは上場企業の保有株式にも同じことが言えます。たとえば、保有株式27兆9000億円のうち13兆3000億円を占めているアリババ(BABA)ですが、現在、株価は好調であるものの、米中貿易戦争激化を受けて中国経済が失速していること、そして創業者ジャック・マー会長が退任したことを考えると、アリババへの過度な楽観は禁物だと言えるのです。

このように、ワグやウィーワークの失敗はポーフォリオに与える影響は限定的であるものの、それが他の保有銘柄のバリュエーションに影響を与えることで株価低迷に繋がってしまうのです。

従って、ソフトバンク・グループに投資する場合、幅広く分散されたポートフォリオの一部に留めるのが適切であり、わずか一銘柄に集中投資するといったような投機的なことはすべきではありません。

グッドラック。




にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
大変励みになります。今日も応援のポチお願いします 
SPONSORED LINK