
バフェット太郎です。
ペッパーフードサービスが展開する「いきなり!ステーキ」がいきなり終わりを迎えつつあります。
「いきなり!ステーキ(渋谷センター街店)」に掲載された一瀬邦夫社長直筆の張り紙には、「社長からのお願いでございます」から始まり、「いきなりステーキは日本初の格安高級牛肉の厚切りステーキを気軽に召しあがれる食文化を発明、大繁盛させて頂きました。今では店舗の急拡大によりいつでもどこでもいきなりステーキを食べることができるようになりました」と、これまでの実績をアピールするも、その後に続く文章は「お客様のご来店が減少しております。このままではお近くの店を閉めることになります」と、閉店をチラつかせるところまで危機を迎えています。
【ペッパーフードサービス(3053)】

(※株価は2017年のピークから80%以上暴落しています。)
そもそも、「いきなり!ステーキ」のビジネスモデルは「俺のイタリアン」のパクリであり、いずれも「高原価率高回転」を目指しているため、早晩危機を迎えることは予想されていました。
たとえば、「いきなり!ステーキ」の原価率は50~70%を超えるなど、通常の飲食店の20~30%を大きく上回っています。つまり、通常の飲食店が200円で仕入れた食材を調理して1000円で販売しているのに対して、「いきなり!ステーキ」は700円で仕入れた食材を1000円で販売しているのです。
コスパが良いのは「いきなり!ステーキ」なので人気になるのは当然です。しかし、粗利益率が低いため多くの客数をさばかなければ利益を生み出さないのです。
たとえば、原価率20%の飲食店の客単価を1000円、一日の客数を50人とした場合、売上高は5万円、原価1万円、粗利益4万円となります。
しかし、原価率70%のいきなり!ステーキの客単価を1000円、一日の客数を100人とした場合、売上高は10万円、原価7万円、粗利益3万円と、二倍の客数をさばいているのにも関わらず、粗利が1万円少ないのです。
ちなみに、粗利益からさらに「販売管理費及び一般管理費(広告や人件費・家賃等)」が差し引かれ、営業利益はさらに少なくなるため、「いきなり!ステーキ」は赤字に陥りやすいビジネスモデルなのです。
言い方を変えれば、いきなり!ステーキは行列ができる繁盛店でなければ利益を生み出さないビジネスモデルであり、通常の繁盛レベルでは経営が成り立たないのです。
そのため、店舗数を増やせば増やすほど「いきなり!ステーキ」同士で客数を奪い合うことになるため、経営が行き詰まることは目に見えていたのです。つまり、社長の「今では店舗の急拡大により、いつでもどこでもいきなりステーキを食べることができるようになりました」ではダメなんです。「いきなり!ステーキ」は行列に並ばなければ食べられないようでなければ、経営が成り立たないのです。
従って、一瀬社長がやるべきことは、お客様に来店をお願いすることではなく、店舗を適正な水準まで縮小し、一店舗あたりの客数を最大化させること、さらに増えた客数に対して、高単価商品を提案し、客単価を引き上げることです。
グッドラック。

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