バフェット太郎です。

環境・社会・企業統治(Environmental・Social・Governance)に配慮することで、世界の投資マネーを集めている「ESG企業」が今、ヘッジファンドから”空売り”を仕掛けられています。

【iシェアーズMSCI米国ESGセレクトETF(SUSA)】
1
具体的なESG企業を挙げると、マイクロソフト(MSFT)やアップル(AAPL)、アルファベット(GOOGL)といった「GAFA」のほか、エコラボ(ECL)やアクセンチュア(ACN)、セールスフォース・ドットコム(CRM)などです。

【iシェアーズMSCI米国ESGセレクトETF(SUSA):週足】
2
米ESG株ETF(SUSA)は年初来+29.3%と、S&P500種指数の+28.4%、ダウ平均の+22.6%をいずれも上回っています。

さて、好調なESG株に対してヘッジファンドが空売りを仕掛けている主な理由のひとつに、その「曖昧な株価評価」があります。

ESG企業はかねてからグリーンウォッシュ(うわべだけの環境配慮)が指摘されるなど、何をもってESG企業とするのか、その評価が曖昧であることに加えて、世界最大の年金基金GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をはじめとした世界の年金基金が積極的にESGに投資することでバリュエーションが過度に割高になっている可能性があります。

たとえば、気候変動や経済的不平等に対する懸念の声が高まっている中で、ESGを謳う企業の投資パフォーマンスはESGを謳わない同業他社と比べてパフォーマンスが良いという事実があります。

こうした事実を背景に、企業はESGに積極的に投資するようになり、中には一部の事実だけを抽出して、あたかもその製品がグリーンであることを主張したり、あるいは環境主張を実証できにくいことをグリーンであると主張したり、さらには、定義や意味に幅があり消費者に誤解を与えかねない表現を用いてグリーンであると主張したりするなど、グリーンウォッシュが蔓延しているとの指摘があります。

具体的な例を挙げれば、プラスチック製のストローを紙製のストローに変えることで、なんとなく事業全体がグリーンであるかのように誤解を与えるというようなことです。こうした見せかけのパフォーマンスでブランド価値が上げられるなら安い投資になります。

さらに、世界の年金基金はESGであることを重視する一方、企業のバリュエーションを軽視するため、割高で放置されやすくなります。

結果、本質的な価値と株価にギャップが生まれるため、ヘッジファンドの空売りの対象となるわけです。投資の世界には常に最高のパフォーマンスが期待できる魔法の投資法は存在しません。そのため、ESGへの投資はこれまで過度な期待を背景に好調だったものの、今後は失望による期待値の低下が投資資金逆流要因となり、株主に悲惨な結果を招く可能性が高いです。

グッドラック。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
大変励みになります。今日も応援のポチお願いします 
SPONSORED LINK