バフェット太郎です。

2010年代、米主要企業で最も上昇した銘柄は、FANGの一角で動画配信最大手のネットフリックス(NFLX)で、株価は7.9ドルから329ドルと、およそ42倍も値上がりしました。

ネットフリックスは2010年までDVDの宅配レンタルを主力事業としていたものの、2011年に動画配信サービス事業を転換し、業績を拡大させることに成功しています。

【ネットフリックス(NFLX)】
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特にここ数年は、アップル(AAPL)やディズニー(DIS)と競争が激化しているにも関わらず、月額料金を値上げしても解約率が悪化するということはなく、順調に業績が急拡大しています。

【ネットフリックス(NFLX)】
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ただし、本業の儲けを表す営業キャッシュフローは赤字が拡大しています。これは、動画コンテンツに多額の投資を必要としていること、そして資金の持ち出しが最初にあるためです。(営業利益や純利益が記載されている損益計算書では、ただちに費用を計上する必要がないため黒字になります。)

つまり、営業キャッシュフローが赤字であること、それ自体はそれほど心配する必要はなく、株主は契約者数が順調に増えているかどうかを注視した方が良いです。

【ネットフリックス(NFLX):週足】
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ネットフリックスの10年チャートです。過去10年を振り返るとネットフリックスの株価は40倍にもなり、株主に莫大な利益をもたらしましたが、それを享受できた投資家はほとんどいません。なぜなら、過去10年にわたって30%を超える大暴落が8回と、15カ月に一度のペースで訪れていたためです。

個人投資家の中には将来有望のイケてるグロース株に集中投資し、長期で保有すればお金持ちになれると信じている人がいますが、実際にそれをやるのは机上の空論です。

誰しも、将来値上がりすることがわかっていれば、どれだけでも暴落に耐えることができますし、暴落局面で積極的に買い向かうことができます。しかし、未来を正確に占うガラスの水晶玉などないことを考えれば、それが一時的な暴落なのか、あるいは10年続く停滞の始まりなのかは誰にもわからないため、暴落に耐えることも積極的に買い向かうこともできません。

結局のところ、多くの投資家は大暴落に狼狽し、投げ売りしてしまうので、グロース株に集中投資し、長期で保有し続けることは不可能なのです。

そのため、投資家は忍耐強く持ち続けられる一握りの優良株に絞って投資した方が良さそうです。たとえば、バフェット太郎は小売り世界最大手ウォルマート(WMT)やファストフード世界最大手のマクドナルド(MCD)に投資していますが、これらの銘柄はいずれも株価が暴落し、低迷していた時期もありましたが、安定したキャッシュフローと毎年増え続ける配当が慰めとなり、忍耐強く保有し続けることができました。

現在、バフェット太郎の保有銘柄であるタバコ世界最大手のフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)と米タバコ最大手のアルトリア・グループ(MO)の株価が低迷していますが、いずれも安定したキャッシュフローと毎年増え続ける配当が慰めとなっており、狼狽することなく保有し続けることができています。また、愚直に配当を再投資することで、株数を増やし、将来の強気相場に備えることもできます。

このように、大きな値上がり益が期待できるグロース株投資はたしかに魅力的ですが、再現性が低いことを考えれば、報われる投資家も少ないと考えられます。一方で、安定したキャッシュフローと配当が期待できる一握りの優良株に投資をすれば、ソッコーでお金持ちになることはできないまでも、着実に資産を増やし、将来に備えることができます。

グッドラック。




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