バフェット太郎です。

家計と金融行動に関する世論調査』(金融広報中央委員会)によれば、金融資産を保有していない世帯を含む40歳独身の貯蓄額の中央値はわずか25万円と、悲惨な状況にあることがわかりました。

【年齢別・独身の金融資産保有額】
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(出所:各種分類別データ参照

年齢別・独身世帯の金融資産保有額を眺めると、平均貯蓄額は20代で128万円、30代で317万円、40代で657万円、50代で1043万円、60代で1613万円と、歳を重ねるごとに貯蓄額が増えていることがわかります。

しかし、中央値を眺めると、20代で5万円、30代で40万円、40代で25万円、50代で100万円、60代で500万円と、平均値に比べてかなり少ない数字であることがわかります。ちなみに、60代になると突然貯蓄額が増えるのは退職金や遺産相続などによる要因が大きいためです。

それにしてもなぜ、平均値と中央値でこれほどの差が生まれるのでしょうか?

多くの読者は、同じ世代でも年収の差が貯蓄額の格差を生む原因だと考えているかもしれません。しかし、次のデータを眺めると、年収の差が貯蓄額の格差を生んでいる原因ではないことがわかります。

【年齢別・独身の手取り年収】
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年齢別・独身世帯の手取り年収を眺めると、平均値が20代で203万円、30代で302万円、40代で326万円、50代で287万円、60代で228万円だった一方、中央値は20代で200万円、30代で250万円、40代で300万円、50代で248万円、60代で200万円と、平均値と中央値がそれほど変わらない数字であることがわかります。

従って、収入の差が貯蓄額の格差を生んでいるわけではないということです。では、なにが貯蓄の差を生んでいるのかと言えば、それは貯蓄をする習慣があるかないかの違いで決まります。

【年齢別・手取り年収からの貯蓄割合が20%以上の割合】
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年齢別・手取り年収からの貯蓄割合が20%以上の割合は20代で33.8%、30代で33.4%、40代で28.9%、50代で24.3%、60代で16.4%となっています。

つまり、40代で手取り年収300万円だとした場合、20%以上にあたる60万円以上を一年で貯蓄している人は28.9%もいるということです。

一方で、ほとんど貯蓄をしない人たちも一定数いて、以下のグラフがそれを表しています。

【年齢別・手取り年収からの貯蓄割合が5%未満】
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手取り年収からの貯蓄割合が5%未満の割合はどの世代でも3割以上います。つまり、20代で貯蓄する習慣が身につかなければ、一生貯蓄に励むことがないまま資産形成に失敗すると考えられます。(もちろん例外はあるけれど。)

先にも述べた通り、同じ世代であれば年収の差はほとんどありません。しかし、同じ収入でも、収入全体の20%以上を毎年貯蓄している人と、ほとんど貯蓄をしていない人とでは、時間の経過とともに貯蓄額に差が生まれるのは当然で、これが貯蓄額の格差を生んでいるというわけです。

従って、「金融資産額の格差は収入の差が原因だ」と考えるのは単なる思い込みで、貯蓄額の多い人たちはコツコツと倹約に努めている一方、貯蓄のない人たちはそれを怠けているのです。

グッドラック。

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