バフェット太郎です。

米資産運用会社大手フィデリティは、2003年~2013年にかけて顧客のパフォーマンスを調査したところ、最も成績が良かった投資家の属性は1位「亡くなっている人」で、2位は「運用しているのを忘れている人」だったとのこと。

つまり、一度買ったら決して売らない「バイ&ホールド」戦略が多くの個人投資家にとって賢明な投資戦略であることを指摘しています。

さて、投資の世界では「S&P500インデックスファンドや一握りの優良株に投資して配当を再投資し続けろ」というのが数ある最適解のひとつとして知られているので、この指摘は正しいです。

事実、過去を30年を振り返るとS&P500インデックスファンドに投資して配当を再投資し続けた場合、当初の資産はおよそ18倍、年率平均10.1%で資産が成長していました。

【S&P500種指数トータルリターン:1990-2020】
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しかし、多くの個人投資家は配当を再投資するどころか、買い持ちし続けることができません。

たとえば、1990年から2000年にかけて株式市場は大暴騰したので多くの個人投資家は買い持ちするだけで資産を増やすことができましたが、それができた投資家は少ないです。なぜなら、80年代半ばから90年半ばにかけて、米国株はおよそ5倍も値上がりしていたため、多くの個人投資家は強気相場の終焉を予想したからです。

しかし、その後株価は大暴騰し、二度と90年代半ばの水準まで値下がりすることはありませんでした。

また、2001年のドットコムバブル崩壊以降、米国株は10年低迷した際も、多くの個人投資家が米国株を手放しました。なぜなら、当時は新興国株が大暴騰したことで、米国株に長期投資するよりも新興国株に長期投資した方が賢明だと考えられたためです。

しかし、その後米国株は大暴騰し、新興国株は10年経った今も低迷しています。

さて、金融危機後からはじまる超長期強気相場の中、やはり買い持ちし続けることができた投資家は少ないです。今振り返れば小さく短期的な調整局面も、その当事者になれば大きな時代の転換点のように思えてしまうからです。

彼らはそれでも十分な利益を得られたと考え、利食いするわけですが、90年代半ばの投資家がそうであったように、もう二度と今日の水準まで値下がりすることなく、株価がズンズンと上昇していく可能性があることを考えれば、利食いが必ずしも正しい判断だとは言えません。

このように、多くの個人投資家は必ずしも悲観とは言えない中で「S&P500インデックスファンドや一握りの優良株に投資して配当を再投資し続けろ」ということが続けられないのです。

たとえば、バフェット太郎が保有する「バフェット太郎10種」もしかりです。この10種にはコカ・コーラやプロクター&ギャンブルのほか、IBMやエクソン・モービルなどの優良株が含まれていますが、多くの個人投資家は株価が低迷しているだけでクソ株と考え、短期的な値上がり益が期待できる銘柄に乗り換えるので、やはり「一握りの優良株に投資して配当を再投資し続けろ」ということができないのです。

彼らは今、「高い成長率が期待できるハイテク株に投資して長期で保有し続ければ報われる」と信じて乗り換えているわけですが、BRICsをはじめとした新興国株が高い成長率が期待されて低迷したように、高い成長率が約束されたセクターや投資対象など存在しないのです。

それでも彼らはこう反論するかもしれません。「今回(ハイテク株)は違う」と。

物理学者アインシュタインによれば、この世に無限なものはふたつあるとのこと。それは宇宙と人間の愚かさであり、前者については断定できないそうです。

グッドラック。




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