バフェット太郎です。

厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によれば、新卒で就職し、同じ企業で働き続けた大卒50代の2018年の月収が、2000年のそれと比べて大きく減っているとのこと。

彼らの”今”が若年層の”未来”であることを考えれば、若年層はどのように生きるべきかということが見えてきます。

【55歳の月収上位10%と中央値と下位10%の給与変化】
2
55歳の月収上位10%と中央値、そして下位10%の2000年と2018年の給与変化を眺めると以下の通りでした。

下位10%の2018年の月収は35万0600円と、2000年の45万2600円から10万2000円減少しました。

中央値の2018年の月収は53万6400円と、2000年の62万2500円から8万6100円減少しました。

上位10%の2018年の月収は82万3000円と、2000年の84万7300円から2万4300円減少しました。

変化率は以下の通りです。

【55歳の月収変化率】
3
55歳の各月収変化率は以下の通りでした。

下位10%の月収変化率は-22.5%でした。

中央値の月収変化率は-13.8%でした。

上位10%の月収変化率は-2.9%でした。

つまり、低収入の50代はより貧乏になり、高収入の50代は相変わらず高収入のままであるということです。これは、企業が生産性の低い中高年の給与を大幅に減らしていることを意味します。

そもそも、年功型賃金の日本では年齢や勤続年数を重ねるごとに賃金が増えていくので、特別な能力やスキルがなくても会社にしがみつくだけで給与が増えていました。しかし、社員の平均年齢の上昇に伴い、次第に賃金が経営を圧迫するようになったことから、企業は生産性の低い社員の給与を減らさなければならなくなっているのです。

しかし、能力の高い社員や若年層の賃金を引き下げれば離職してしまいません。そのため、企業は会社にしがみつくしかない生産性の低い中高年をターゲットに賃下げしているというわけです。

【25歳と55歳の給与変化(中央値)】
1
事実、2020年の25歳の月収は23万5100円と、2008年の22万8600円と比べて6500円(+2.8%)増加しています。

とはいえ、月収が増加している若年層世代も能力を高めないまま時間を無駄に過ごせば、いずれ「生産性の低い中高年」になるだけなので他人事ではありません。

そもそも、若年層の給与が増加している背景には、若年層の能力が高いというわけではなくて、少子高齢化に伴う希少性の高まりが背景にあります。需要に対して供給が先細れば価格が値上がりするのは当然で、これと同じ理由で若年層の給与が増加しているというわけです。

そのため、勉強をせず、能力も高めず、出世意欲もないのなら、将来、「生産性の低い中高年」になるのは必至でリストラの対象になるのです。

また、若年層世代の数が少ないなら、その世代は会社にしがみつくことができる(上の世代は淘汰されるが)との意見もありますが、大企業の国際競争力が低下していることや企業の平均寿命が23.5年程度であることを考えると、しがみつける企業に就職することすらできなくなるかもしれません。

従って、若年層世代は50代の賃下げを他人事と考えず、日頃から勉強をし、副業を通じて自身の専門的な能力をさらに高めるなどして備える必要があるわけです。

グッドラック。
 




にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
大変励みになります。今日も応援のポチお願いします 
SPONSORED LINK