
バフェット太郎です。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRK.B)が、米航空大手デルタ航空(DAL)と同業大手サウスウエスト航空(LUV)の株式を一部売却したことが明らかになりました。
バークシャーはかねてからデルタ航空の筆頭株主で、保有比率は2月下旬時点で11%、サウスウエスト航空は10%でした。そして、今回、株式を一部売却したことで、保有比率はそれぞれ9%程度まで引き下がりました。
ちなみに、バークシャーはユナイテッド航空(UAL)とアメリカン航空(AAL)にもそれぞれ投資していますが、今回、売却はありませんでした。保有比率はいずれも8~9%程度です。
さて、バフェット氏はデルタ航空とサウスウエスト航空の株式を売却した理由は明かしていませんが、多くのメディアはこれを『バフェットの誤算』とし、コロナショックによる業績への悪影響を懸念して投資判断を変えたと報じています。
事実、デルタ航空は第2四半期の売上高は90%の減収になるとの業績見通しを発表し、他の航空会社も同様の厳しい見通しを示しています。
しかし、バフェット氏は本当にコロナショックによる業績への悪影響を懸念して投資判断を変えたのでしょうか?
振り返ると、バフェット氏は2月27日にデルタ株を買い増しし、3月10日のインタビューでは、「コロナショック」が航空業界に与える影響について「どれほど酷いかわからない。切り抜けてしまえば『大したことなかった』となるかもしれないし、予想以上に大ごとになるかもしれない。それはわからない」としつつも、「世界には今後5年、10年、20年で他のことも起こるだろう。世界とはそういうもので、平らな道ではない。しかし、(感染危機により)米国や世界の進歩が止まることはない」とし、楽観的な見通しを示していました。
さらに、キャスターから「航空株は売りそうにないですね?」と尋ねると、「航空株は売らないよ」と笑いながら答えていました。
それからわずか一カ月もしないうちに投資判断を変えたことになります。
その間、航空業界で何があったかと言えば、米航空業界団体「エアラインズ・フォー・アメリカ」が資金繰りが悪化したとして、米政府に580億ドルの支援を要請しました。そして、トランプ大統領は「我々は(航空会社を)100%支援する」として、大型景気刺激策の中に航空会社向けに290億ドルの支援金のほか、航空会社従業員への一時金として320億ドルの支給を盛り込みました。
そのため、バフェット氏は経営破綻を懸念してデルタ航空とサウスウエスト航空を手放したわけではなさそうです。また、バフェット氏はかねてから「大切なことは事業が5年後、10年後どうなっているかだ。一週間後、一カ月後の株価は重要ではない」としていることから、目先の業績悪化が売却した理由ではなさそうです。
そこで考えられるのは、バフェット氏は何らかの理由で航空株の保有比率を10%以下に引き下げる必要があったということです。
バフェット氏は保有していたデルタ株の約18%も売却した一方、サウスウエスト航空はわずか4%分しか売却していません。また、ユナイテッド航空とアメリカン航空に至っては売却すらしていません。しかし、保有比率はすべて8~9%台に留まっています。
仮に政府による大型景気支援策がバフェット氏などの一部の富裕層を優遇することになれば、民主党が反発することは必至です。つまり、バフェット氏は航空会社各社が政府支援を受けれるように、保有比率を10%以下に引き下げる必要があったのかもしれません。
バフェット氏が売却した理由を明らかにしていない以上、本当のところはどうかわかりません。いずれにせよ、5月の年次株主総会で語られることを待つほかなさそうです。
グッドラック。
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