バフェット太郎です。

「中国のスタバ」と呼ばれている中国コーヒーチェーンのラッキー・コーヒー(LK)が、不正会計により経営破綻する可能性が高まっています。

2019年5月にナスダックに上場したラッキン・コーヒーは、2019年第2四半期(4-6月期)から第4四半期(10-12月期)にかけて22億元(約340億円)もの売上高を水増しし、第3四半期(7-9月期)は売上高の69%を、第4四半期に至っては売上高の88%も粉飾したそうです。

【ラッキン・コーヒー(LK):日足】
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株価は直近の高値51ドルからわずか三カ月足らずで91%安の4.4ドルと大暴落しています。

ラッキンの粉飾に最初に気づいたのは、米国の空売り専門調査会社マディ・ウォーターズ・キャピタルで、1月に匿名筋からの情報で、「ラッキンが売上高を水増しし、詐欺行為を働いている」との情報を入手していました。(ラッキンはこれを全面否定していました。)

ラッキンは2019年5月にIPOした際、5億6000万ドル(約600億円)の資金調達に成功し、コーヒーを一杯買えばもう一杯無料にするといった大幅なディスカウントをすることで客数を増やし、将来的にはディスカウントを止めて客単価を引き上げることで業績の拡大を狙っていました。

そして、店舗数は2019年末に4500店舗に達するなど、スターバックの中国での店舗数4200店舗を上回ったことから、多くの投資家はラッキンのシナリオ通りにうまくいっていると信じていたのです。

【ラッキン・コーヒーのキャッシュフロー】
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ラッキンのキャッシュフローの推移を眺めると、本業の儲けを表す営業キャッシュフローの赤字が拡大していることがわかります。

そもそも、企業の成績表である決算書には主に「損益計算書」と「貸借対照表」、そして「キャッシュフロー計算書」の三表があります。

「損益計算書」とは、売上高や営業利益といった事業の収益やそれに掛かった費用などが記されています。「損益計算書」は数字を誤魔化しやすいことから「会社の意見」と言われたりするので、大抵の場合、粉飾決算はこの「損益計算書」が利用されます。

「貸借対照表」とは、バランスシートと呼ばれたりしますが、企業の資産や負債などの財産が記されています。

「キャッシュフロー計算書」とは、お金の出入りを表していて、その会社にいくらお金が入り、いくら出ていったのかを表したもので、不正会計をすることは困難です。そのため、真実に近い数字とされており、投資家はこのキャッシュフローを重視します。

さて、ラッキン・コーヒーのキャッシュフローの推移を眺めると、本業の儲けを表す営業キャッシュフローがマイナスであるため、会社からお金がどんどん流出ていることがわかります。そして、その一方で財務キャッシュフローがプラスになっているということは、金融機関から多額の融資を受けて、なんとか会社を回している状況であることを意味します。

こうしたキャッシュフローの推移が必ずしも悪いわけではありません。たとえば、将来有望の企業はたとえ目先の営業キャッシュフローがマイナスであっても、長期的にみれば業績の拡大が期待できるため、金融機関や投資家は積極的に融資するものです。

しかし、ラッキンは不正会計をしてしまったため、機関投資家らから訴訟を起こされ、莫大な損害賠償を支払わなければならなくなるほか、不正会計をするような企業には金融機関は融資できませんから、結果的に資金が枯渇してしまうのです。

加えて、ラッキンの事業は不正会計以前の問題として、生産性の低さが指摘されているため、ラッキンに投資したいと考える人はほとんどいないはずです。

そのため、ラッキンが経営破綻する可能性は高いです。

ラッキン・コーヒーのような新興株に投資し、長期で保有すれば大きな値上がり益が期待できるとして、多くの資金を新興株に投資する人もすくなくありませんが、新興株というのは、その事業がうまくいくかどうかだけでなく、ずさんな経営スタイルもリスクとなり得るので、将来の老後生活に備えた資産形成には向かない投資対象で、資金の1%~5%で”遊ぶ”程度が望ましいです。

グッドラック。

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