バフェット太郎です。

日本政府は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて、その感染拡大防止策として「緊急事態宣言」を全国に発令し、外出の自粛を呼びかけました。

これにより、飲食業や小売業などのサービス業は営業時間の短縮や一時休業が余儀なくされるため、業績の悪化が予想されるわけですが、その兆候はすでに出ています。

たとえば、主要アパレル・雑貨企業の3月既存店売上高はファーストリテイリングが72.2%だったほか、しまむらは87.9%、良品計画は85.4%と、いずれも二桁以上の落ち込みを見せています。

また、飲食業ではテイクアウトのできるマクドナルドが99.9%、吉野家HDは98.2%と底堅かった一方、レストランや居酒屋チェーン店の多くは60%を割り込むなど悲惨な数字ばかりで、とりわけ「いきなりステーキ」を展開するペッパーフードサービスは51.1%と、数字から悲鳴が聞こえます。

【ペッパーフードサービスの経営成績】
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ペッパーフードサービスの19年12月期の売上高は675億円だった一方、経常利益は3400万円の赤字、純利益に至っては26億8000万円の赤字に落ち込みました。純利益が大幅に赤字な赤字となったのは減損損失が響いたためです。

【ペッパーフードサービスのキャッシュフロー推移】
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キャッシュフローの推移を眺めると、本業の儲けを表す営業キャッシュフローが6億3000万円の赤字となったほか、フリーキャッシュフロー(純現金収支)が68億5000万円と巨額の赤字となりました。

【既存店売上高(対前年比)】
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業績が急激に悪化している主な要因は、既存店売上高が大幅に落ち込んでいるためで、24四半期連続で100%を割り込んでいます。

【3月既存店売上高の推移】
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ちなみに、2018年3月の既存店売上高を100とした場合、2020年3月の既存店売上高はわずか37.5%と4割にも満たないです。

【自己資本比率の推移】
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自己資本比率(総資本に対する自己資本の比率)はわずか2.0%と、債務超過寸前にあることがわかります。(※通常、債務超過となった場合、その状態を1年間で解消できなえれば上場廃止となりますが、新型コロナウイルスの影響で、改善期間を現行の1年から2年に延長することが決まっています。)

【手元資金と短期支払額】
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ペッパーフードサービスのバランスシートを眺めると、現金及び預金が24億7000万円、売掛金が22億9000万円と、合計47億6000万円の手元資金がある一方で、買掛金が65億6000万円、1年内返済予定の長期借入金が32億8000万円、未払い金10億2000万円と、合計108億6000万円の短期支払金があります。

つまり、一年以内に108億6000万円の支払いがあるのに、手元には47億6000万円しか資金がないのです。

そのため、同社は新たな資金調達をしなければならないのですが、それも困難な状況となっています。

同社は2020年1月に第三者割当による新株予約権を発行して、最大69億円の資金を調達しようと試みたものの、株価がその後大暴落し、下限行使価額である666円を下回る442円まで値下がりしてしまったことで、目標を大きく下回る7億8000万円しか調達できなかったのです。

こうした中で発令された「緊急事態宣言」はペッパーフードサービスにとどめの一撃となりかねないほか、日本経済の「V字回復」が見込めないこと、さらに同社に業績を回復させるための手立てがないことを考えれば、倒産するのも時間の問題と言えそうです。

グッドラック。

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