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バフェット太郎です。

新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)を受けて、セクター別で明暗がハッキリ分かれていることから、ダウ平均やS&P500種指数に連動するインデックスファンドへの投資を避け、特定のセクターに集中投資するスタイルが人気化しそうです。

そもそも投資の世界では、「S&P500インデックスファンド配当再投資戦略」が賢明な投資法のひとつとして知られていて、多くの個人投資家がインデックスファンドに投資しています。

事実、米ファクトセットによれば、米国株で運用するETFのおよそ4割がS&P500種指数に連動するタイプですから、非常に人気化していることがわかります。

しかし、セクター別のリターンを振り返ると、必ずしも同じと言うわけではありません。たとえば、ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』によれば、1957年~2003年までのセクター別長期リターンは年平均で「ヘルスケア」が15.01%、「生活必需品」が14.43%と高い傾向にあった一方、「素材」は9.41%、「一般消費財」9.80%と低い傾向にありました。(ちなみにS&P500は11.40%でした。)

こうしたことから、S&P500インデックスファンドに投資するのではなく、不人気セクターを排除して、将来有望のセクターのみに投資するというスタイルが人気化しつつあるのです。

【年初来高値からの騰落率】
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たとえば、セクター別の年初来高値からの騰落率を眺めると、コロナショック後「ヘルスケア」や「生活必需品」といったディフェンシブ・セクターの戻りが力強い一方、「エネルギー」「金融」「資本財」は20%以上下落しています。

そのため、投資家はこの「不況3業種」を排除する一方で、とりわけ成長が期待できるハイテクセクターに集中投資する傾向が見られます。また、今後はこれに「ヘルスケア」やバイオセクターに特化したETFが人気化すると思います。

しかし、こうした投資戦略は短期的に見れば報われやすいかもしれませんが、長期的に見れば報われにくいです。なぜなら、投資の世界では「効率的市場仮説」といって、誰も市場を出し抜くことはできないので、タイミングを狙って売買を繰り返しても長期的に見れば税金と手数料分損するだけと言われているからです。

実際、2014年のバイオ株ブームでタイミング良く売り逃げできた投資家はほとんどいません(2015年の暴落局面で割安と勘違いして買い向かって撃沈した投資家が続出しました)し、2017年の半導体株ブームでも同じようなことが繰り返されました。

つまり、次のブームに乗り換えるのは容易ではなく、多くの個人投資家は税金と手数料分だけ損をするだけです。

とはいえ、ヒトは目の前で起きていることを過大評価していまいやすいのも事実です。たとえば、半導体セクターやバイオセクターが上昇していれば、これが永遠に続くトレンドだと考えるのです。(今、多くの投資家がハイテクセクターが永遠に上昇し続けると信じているように。)そのため、多くの投資家がブームに乗る衝動を抑えることができず、ついつい飛び乗ってしまうのです。

こうして投資家はブーム、つまり相場に振り回されるような投資をしてしまいがちになるのです。

これは、投資を楽しむために、一部の資金を振り向けるなら良いですが、老後資金の備えとしての資産形成を目的としているなら、そうしたブームに乗る投資をするべきではありません。

なぜなら、永遠に続く上昇トレンドがないように、永遠に続く下降トレンドもありませんから、投資家は不人気セクターに配当を再投資することで、次の強気相場に備えることができるからです。

従って、たとえS&P500インデックスファンドへの投資が不人気セクターにも投資することになったとしても、それは割安な時期に株を買い増すことを意味するため、長期的には報われる可能性が高まるのです。

そのため、老後資金の備えとしての資産形成を目的に運用しているのなら、S&P500インデックスファンドへの投資を継続しつつ、一部の資金をバイオセクターやハイテクセクターに振り分けるなどして投資を楽しむのが良いです。

グッドラック。

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