バフェット太郎です。

4月20日、WTI原油先物の5月物価格が一時-40.32ドルを記録するなど、原油市場が大混乱に陥っていますが、6月物価格も一時6.50ドルを付けるなど、下げ止まりの兆しが見えません。

そもそも「先物取引」とは、将来の売買について予め約束する取引のことです。つまり、現時点で売買の価格と数量、期限を約束し、将来の期限までに予め約束した価格と数量で取引するというものです。

買い手やより安く買おうとしますし、売り手はより高く売ろうとしますから、主に将来の価格に対してヘッジ(保険)を掛けておきたい時などに利用されます。

たとえば、石油会社は原油を売ることで経営が成り立っていて、原油価格が右肩上がりで値上がりし続ければ業績は拡大し続けますが、反対に原油価格が値下がりすれば業績は悪化してしまいます。

そこで、石油会社は原油価格が現在の30ドルから、将来10ドルに値下がりするかもしれないという未来に保険を掛けるため、石油会社はあらかじめ将来30ドルで売る権利を買うのです。そうして将来、原油価格が急落しても30ドルで売れるので、原油安局面でも業績を安定させることができるのです。

しかし、予想に反して50ドルに値上がりした場合、やはり約束通り30ドルで売らなければなりませんから20ドル分損をすることになります。そのため、石油会社がヘッジを掛け過ぎると原油高局面であるにも関わらず、業績が拡大しないなんていうことが起こりえるのです。

さて、原油価格が歴史的な大暴落を見せる中、経験の浅い未熟な個人投資家たちがこぞって原油市場に参入しています。彼らは原油価格の大暴落を千載一遇のチャンスと考えて大幅反発に賭けようと考えているわけです。

しかし、それは最悪の結末を迎えてしまうかもしれません。

【USオイルファンドETF(USO):日足】
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個人投資家は原油ETFに投資していますが、実際の原油価格と原油ETFに大きな乖離が発生しています。

これは、実務家たちが原油貯蔵施設が満杯になったことで保管に困り、追加の保管コストを考えれば原油価格はマイナスになると考えているのに対して、投資家たちは千載一遇のチャンスと見てこぞって買い注文を出しているからです。

本来、ETFは原油価格に連動することを目指して設計されているため、連動しないのであればそれはETFとしての体を成していないと言えます。そのため、原油価格とETFの乖離を要因に、USOは上場廃止の申請を出す可能性があるのです。

上場廃止となれば投資家たちは事前にETFを売却するか、あるいは清算日に支払いを受けるかのいずれかを選択しなければなりません。

また、USOは米最大の原油ETFであるため、仮に上場廃止となればポジションを解消しなければなりませんから、原油市場に絶望的な売り注文が発生します。

こうしたリスクを抱えていることから、原油市場はしばらくの間混乱が続きそうです。

グッドラック。

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