バフェット太郎です。

フィナンシャル・タイムズ（FT）が米バイオ医薬大手のギリアド・サイエンシズ（GILD）の新型コロナウイルス治療薬候補「レムデシビル」は「有効性を示されなかった」と報じたことで、ギリアドの株価が前日比4.34％安と急落しました。

【ギリアド・サイエンシズ（GILD）】

中国の研究者がWHO（世界保健機関）の依頼に応じて「レムデシビル」の治験報告書提出したのですが、WHOはその草稿段階の報告書を誤ってウェブサイトに公開し、それをフィナンシャル・タイムズが入手しました。

この治験報告書によれば、新型コロナ患者237人を対象とし、そのうち158人に「レムデシビル」を投与した一方、残りの79人には「プラセボ（偽薬）」を投与した結果、死亡率は前者が13.9％、後者は12.8％と、ほとんど大差が見られなかったそうです。実際、中国での臨床試験は中断されました。

しかし、この報告書の解釈は誤りであることが指摘されています。

なぜなら、ギリアドが中国の臨床試験を中断したのは「レムデシビル」の有効性が示されなかったわけではなくて、被験者が少なくて信頼性の高い統計が取れないと判断しただけだからです。

中国での被験者が少ない理由は、中国での新規感染者数はずっと前にピークを付けて収束に向かっているためです。

そして、「レムデシビル」のような抗ウイルス薬はウイルスが血液中で増殖するのを抑える仕組みであるため、データのトレンドからは、早い段階で治療を受けた患者ほど特に効果がある可能性が示されています。

それでも、中国での臨床試験の結果について、フィナンシャル・タイムズが「有効性は示されなかった」と報じたことで、「レムデシビル」は重症患者に効かない可能性が高いという見方が広がるのは避けられそうにありません。

こうしたことから、今回の一連の出来事は、かねてから中国寄りの非難されているWHOと、報告書の概要を執筆した中国の研究者が意図的に画策したのでは？と疑問視する声も上がっています。

トランプ大統領はWHOに対する拠出金を一時的に停止するとの考えを示している一方、中国は3000万ドル上乗せすることを発表するなど、WHOの中国寄りの姿勢は今後も続くことが予想されます。

グッドラック。

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