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バフェット太郎です。

日銀が金融政策決定会合で、追加の金融緩和策を決定しました。これを受けて日経平均株価は前日比521.22円(+2.71%)高の1万9783.22円と大きく上昇しました。

今回発表された追加の金融緩和策は主に三つあります。

一、CP(コマーシャルペーパー)や社債などの買い入れ枠の増額
二、新型コロナウイルス対応金融支援特別オペの拡充
三、長期国債の買い入れ額の上限撤廃

まず、一の「CPや社債の買い入れ枠の増額」というのは、大企業の資金繰りを支援することを目的とした政策のことです。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて、日本政府はロックダウン(都市封鎖)を発表したわけですが、これを受けて、大企業の業績は急速に悪化したほか、資金繰りも悪化しています。

そこで、大企業が発行するCPや社債を日銀が買い入れることで、資金繰りを支援することを狙っているわけです。ちなみに、今回の金融政策決定会合では、その買い入れ額を従来の3倍にあたる20兆円になることが決定しました。

しかし、普段CPや社債を発行しないような中小企業はこうした金融緩和策の恩恵を享受することはできません。そこで、日銀は中小企業向けの資金繰り支援策として、企業向け融資の資金をゼロ金利で金融機関に貸し出す特別オペの拡充を決定しました。

つまり、中小企業は金融機関から低金利で融資を受けることができるので、資金繰りの悪化を解消することが期待できるわけです。

そして今回の金融政策決定会合で最も注目されたのが、「長期国債の買い入れ額を従来の『年間80兆円』から『上限撤廃』に変更された」ということです。

黒田総裁は会合後の記者会見で、「(国債について)さらに積極的に買い入れることにした。買い入れ上限は設けず、必要な額を購入する」と述べました。

とはいえ、「10年債利回りゼロ%」という目標に変更がなかったこと、そして現在の10年債利回りが-0.03%であることから、極端に買い入れ額が増えることはないです。

ただし、日銀が国債を買い続けるということは、長期的に見れば市場に大量の円が流入するこを意味するため、資産価格(すなわち日本株や不動産)にとって追い風になることを意味します。なぜ、市場に大量の円が流入すると資産価格にとって追い風になるのかと言うと、市場でジャブジャブに溢れている円が日本株や不動産に流入するため、自然と価格が上昇しやすいのです。言い方を変えれば、通貨の価値が希薄化してインフレが加速しやすくなるというわけです。

ただし、「ハイパーインフレになる」といった「トンデモ論」を懸念する必要はありません。現在、2022年度の物価上昇率は0.4~1.0%と目標の2%にほとんど届かない見通しだからです。

つまり、インフレが加速する可能性が低いことや企業業績がしばらく低迷することを考えれば、日本株がここからガンガン買われることは期待できないということです。

とはいえ、市場にジャブジャブと円が流入するという事実は変わりありませんし、通貨(すなわち円)の価値が実質的に希薄化することは避けられません。そのため、リセッション(景気後退)から脱却し、再び景気拡大期に突入すれば、その時はインフレが緩やかに加速し始め、日本株や不動産価格を押し上げることが予想されます。

ちなみに、インフレが加速した場合、最も割を食う世代は退職して年金暮らしの高齢者たちです。物価が上昇したからといって、年金がただちに引き上がるわけではありませんし、インフレは貯金の実質的な価値を目減りさせるからです。

反対に、若年層や投資家は給与や資産価格が上昇しやすいので、インフレの恩恵を享受することが期待できます。言い方を変えれば、現役世代でも貯金だけをしている人と積極的に投資をしている人との間では格差が拡大しやすいということです。

グッドラック。

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