バフェット太郎です。

19日のNYダウ株式市場は前日比390.51ドル(1.59%)安の2万4206.86ドルと急落して取引を終えました。急落した主な要因は、医療系ニュースサイトのSTATが、米バイオベンチャーのモデルナ(MRNA)のコロナウイルスワクチンについて、専門家が懐疑的な見方を示していると報じたためです。

STATの記事によれば、モデルナのコロナウイルスワクチンが第1段階の臨床試験で良好な結果を示すデータが確認されたことについて、複数のワクチン専門家がモデルナの発表内容は、詳細な情報が乏しくデータが不足しているとのこと。

【モデルナ(MRNA):日足】
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これを受けてモデルナ株は前日比10.41%安と急落しており、これから一段と値を下げる公算が大きいです。

【モデルナ(MRNA)の経営成績】
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そもそも、モデルナの時価総額は約2700億ドルであるわけですが、前期売上高は6000万ドル、純損益は5億1400万ドルの赤字で、さらに未だ一つも新薬を販売していません。

そのため、これまでの株価上昇はコロナウイルスワクチン開発成功への期待感から上昇していたわけですが、ワクチン開発が失敗に終わればただの万年赤字企業であるため株価は大暴落します。

そもそもワクチン開発というのは、大抵の場合失敗するものです。実際、HIVワクチンは膨大な投資と年月を要しているのにも関わらず未だに完成していませんし、SARSワクチンも結局失敗に終わり、さらにインフルエンザワクチンの効果についても乏しいことで知られています。

こうしたことを踏まえれば、モデルナがコロナウイルスワクチンの開発に成功する確率よりも失敗する確率の方が高いと言えますし、また、株式市場はワクチン開発成功への期待感から上昇していますから、失敗が明らかになればモデルナ株だけではなく、株式市場全般が売りを浴びせられることが予想されます。

なぜなら、株式市場はワクチン開発成功によって人々の生活が元に戻り、世界経済が回復することを織り込んでいるからです。当然、ワクチン開発が成功しなければ人々の行動はより慎重になり、消費が落ち込むのは必至で、世界経済回復への道のりも遠くなります。

従って、投資家はワクチンに関するニュースで右往左往するのではなく、どちらに転んでも良いように、慎重に、そして堅実な運用を心掛ける必要があります。

グッドラック。

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