バフェット太郎です。

マイク・ポンペオ国務長官が「香港が中国からの自治を失った」とし、「一国二制度」が覆ったことを正式に判断しました。また、トランプ大統領は「週末までにとても強力な内容を知らせる」とした一方、中国は報復することを示唆しているため、米中冷戦が一層激化することは必至です。

そもそも香港は、関税やビザ発給などの優遇措置を受けていることから、アジアの金融ハブとしての地位を築いたわけですが、これらの優遇措置を受けるには「一国二制度」に基づく「高度な自治」を維持する必要があります。

この「一国二制度」というのは、香港は中国ではあるけれど、中国の法律は適用されず、香港独自の法律が適用されるというもので、中国は2047年まで社会主義政策を実施しないことを約束しているんです。

しかし、今回、中国政府は北京で開催中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で、反体制活動を禁じる「香港国家安全法」の制定方針を決定し、今夏にも香港立法会(香港の議会)の審議を経ずに施行される見通しです。

つまり、中国は2047年までまだ27年あるのにも関わらず、香港に社会主義政策を実施しようとしているわけですから、「一国二制度」は事実上崩壊し、関税などの優遇措置を受ける条件を満たせなくなるのです。

ちなみに、中国が9月に予定されている香港立法会の審議を待たないのかというと、「国家安全法」の制定が民主派により阻止される可能性が高いからです。

「国家安全法」は反逆や国家分裂、スパイ行為が禁止されていますが、何がそれにあたるかは明確にされていません。たとえば、2015年には共産党を批判する書籍を販売していた書店員が中国政府に拉致・監禁された後、2020年にはスパイ行為で禁固10年の刑が言い渡されています。

つまり、政府を批判することが犯罪行為となりかねず、香港における言論の自由はなくなるのです。

そのため、香港の行政長官で親中派のキャリー・ラム氏が国家安全法について「心配する必要はない。法の支配や司法の独立、香港が享受してきた自由などの革新的な価値は維持される」と言っても、それを信じているのは、中国資本による香港メディア(テレビや新聞)しか見ていない情弱だけで、その他大勢の人たちは誰も信じていないのです。

★★★

世界先進各国は、中国が資本主義の恩恵を享受するのなら、いずれ社会主義を放棄するだろうと期待していました。そして香港人が「世界は共産党を甘く見ている」とし、カナダやオーストラリアに移住した人たちのことを悲観しすぎだと冷笑しました。

しかし、我々の目の前で起きていることは、経済的に巨大化した中国が、香港、ウイグル、チベット、南モンゴル等の民族浄化と人権弾圧を繰り返し、アジアに軍事侵略するという現実です。

日本をはじめとした世界先進各国は、目先の経済的な利益を享受するために中国と付き合い続けるのか、あるいは製造業の拠点を中国以外のアジアに分散したり、あるいは自国に戻すなどして「脱・チャイナ」の動きを加速させるかを決断しなければなりません。

グッドラック。  

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