バフェット太郎です。

米シェール開発大手のチェサピーク・エナジー(CHK)が連邦破産法11条の適用を申請して経営破綻しました。新型コロナウイルスの影響などによる原油価格の暴落で経営が悪化し、資金繰りに行き詰りました。

チェサピーク・エナジーの3月末時点の負債総額はおよそ95億ドル(約1兆0100億円)で、ダグ・ローラーCEOは「法的整理によって約70億ドルの負債を削減することで、資本構造とビジネスをリセットし、財務の脆弱性を解消する」との計画を発表しました。

チェサピーク・エナジーは上・中流部門で展開する米シェール開発のパイオニアで、ペンシルベニア州とルイジアナ州の天然ガスを軸に、テキサス州などで天然ガスと原油を生産していて、2019年には同業のワイルドホースを買収して原油生産量を3割増やし、確認埋蔵量は15.7億バレルと規模を拡大させていました。

ところが、原油安を受けてかねてから資金繰りが悪化しており、これまで社債を発行することでなんとか経営を続けてきましたが、5月には8月期限の1億9200万ドルの債務返済が困難になっていることから、延期を検討していたほか、年内に期限を迎える社債の債務返済も難しくなっていることから、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性が指摘されていました。

米国ではシェールオイル開発で中堅のホワイティング・ペトロリアムやダイヤモンド・オフショア・ドリリングなどが相次いで経営破綻していたことから、チェサピークが破綻するのも既定路線だったというわけです。

【チェサピーク・エナジーの経営成績】
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チェサピーク・エナジーの経営成績を眺めると、営業利益は過去10年で7年間黒字を達成していました。しかし、投資支出が大きかったことで、現金の流出に歯止めが掛かっていませでした。

【チェサピーク・エナジーのキャッシュフロー推移】
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チェサピーク・エナジーのキャッシュフローの推移を眺めると、本業の儲けを表す営業キャッシュフローが過去10年で9年間黒字だったものの、投資支出が莫大であることから、フリーキャッシュフロー(=営業CF+投資支出)が万年赤字であることがわかります。つまり、会社から現金がどんどん流出していたというわけです。

【チェサピーク・エナジー(1993-2020)】
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こうしたことから、株価も2008年のピークから99.9%安と大暴落しており、株券は紙くず同然の価値となりました。

シェール企業の相次ぐ破綻でエネルギー株への投資はますます不人気になりそうですが、これは長期的に見ればエネルギー株にとって追い風になり得ます。

なぜなら、原油安のそもそもの元凶は新型コロナウイルスによる需要の減少ではなく、シェール企業による生産量の増加、すあわち供給量の増加が問題だからです。そのため、シェール企業が軒並み淘汰されれば、将来の供給量は減少するほか、数年後にはコロナによる需要の減少も解消されることが期待できるので、原油価格の回復に伴い、エネルギー株も息を吹き返すことが期待されます。

グッドラック。

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