バフェット太郎です。

鴻海精密工業(フォックスコン)の劉会長が「中国が世界の工場だった時代は終わった」とした上で、「これからはインドであろうが東南アジア、米州であろうが、それぞれで製造のエコシステムがつくられるだろう」と述べました。

また、劉会長は中国以外の生産能力を徐々に拡大させていくとし、中国以外の比率は30%と、昨年の25%から5%ポイント増加しています。

フォックスコンはかねてからアップル(AAPL)やデル(DELL)、任天堂の主要製品の電子機器を中国で生産していましたが、米中貿易戦争が今後一層激しくなることから、世界のテクノロジー企業の「脱チャイナ」の流れは加速する公算が大きいです。

米中貿易戦争を巡っては、米政府が中国ハイテク企業への圧力を強めていて、ファーウェイなど中国5社の製品を使う企業と米政府機関の取引を禁じる規制を施行しました。

この5社とは、ファーウェイのほか、ZTEや監視カメラのハイクビジョンとダーファ・テクノロジー、無線通信のハイテラの5社です。また、トランプ政権はティックトックやウィーチャットの禁止を検討しています。

仮に今後、ウィーチャットが利用できなくなれば、在米中国人は、中国にいる家族とのビデオ通話をすることができなくなりますし、仕事で中国人と連絡を取り合っていた米国人にも影響を及ぼします。

とはいえ、米国人が利用するワッツアップを中国で使用することができないことや、グーグルやフェイスブック、ツイッターなどの利用も禁止されていることを考えれば、米国が中国に対してやっていることは同じと言えます。

そして、今後も米政府が禁止対象や範囲を広める公算が大きいほか、関税の引き上げなどを考えると、世界のグローバル企業は「中国外し」をせざるを得なくなります。

こうしたことから、製造業の拠点は中国からインドやベトナムなど、より安価な労働力を抱える新興国に移ることが予想されます。

また、時代のトレンドの転換はゆっくりそして大きく動くため、株価に反映されるには時間がかかりそうです。

【ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF(SCIF)】
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インド小型株ETFは50週移動平均線を下回っています。インドは新型コロナウイルスの感染拡大により、新規感染者が急増していることから、経済は中長期的に打撃を受けると見られています。

【ヴァンエック・ベクトル・ベトナム株ETF(VNM)】
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ベトナム株ETFはコロナショック後急反発しましたが、最近の伸びは鈍化しています。これは、当初こそ新型コロナウイルスの感染封じ込めに成功したかに思えたものの、7月下旬以降、感染拡大の兆候が見えたためです。

また、中国経済の失速も同国にマイナスの影響を与えています。

こうしたことから、未だ「新興国株の時代到来」とは言えませんが、長期的に見ればこれら二か国への投資がブームになると思います。

グッドラック。

 
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