バフェット太郎です。

著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社、バークシャーハザウェイ(BRK.B)が、ウェルズ・ファーゴ(WFC)の持ち株を42%減らしたことが明らかになりました。

そもそも、ウェルズ・ファーゴはバフェットが1990年に投資して以降、30年も保有しているお気に入り銘柄で、同行の筆頭株主であるほか、バフェットの永久保有銘柄の一つとしても知られています。

ところが先月、バークシャーがウェルズ・ファーゴの株式を1億2000万株も売却し、保有株数を3億2000万株から2億4000万株に減らしたことで、多くの投資家に衝撃を与えました。

そして今月4日、バークシャーはウェルズ・ファーゴ株をさらに1億株売却したことで、ポートフォリオに占める割合を3.3%まで引き下げられました。

【ウェルズ・ファーゴ】
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ウェルズ・ファーゴを巡っては、2016年に顧客の承諾手続きを経ずに銀行口座を解説したり、クレジットカードを発行したりする不正営業の横行が発覚したことで、当局から制裁を受け、業績と株価は長年低迷していました。

また、追い打ちをかけるように新型コロナウイルスの感染拡大の影響も重なって、業績の回復が見込めないことから、株価は2019年の高値51.80ドルから、52%安の24.79ドルと大暴落しました。

こうした中で、バフェットが銀行株を大底で投げ売りしているわけですが、バフェットは銀行株が長期で低迷すると考えているのであれば、理に適っていると言えます。

そもそも、銀行のビジネスは「利ザヤ」を抜くことで成り立っています。

たとえば、預金者から0.1%の利息で預かったお金を、企業や個人に1.0%の利息で貸し出すことで、0.9%ポイント分の利ザヤ稼ぐことができます。

そして、銀行が企業や個人に貸し付ける際の利息は、政策金利に左右されるので、今日のようなゼロ金利局面ではほとんど利ザヤを稼ぐことができないのです。

こうした中、FRB(米連邦準備制度理事会)がゼロ金利政策の長期化を宣言したことから、当分の間、銀行は利益の拡大が見込めないため、バフェットは銀行株を売ったと言えます。

その一方で、今年バフェットが買っている銘柄を挙げると、たとえば、先日の日本5大商社株やカナダの総合エネルギー企業サンコア・エナジー(SU)や金鉱株バリック・ゴールド(GOLD)、米最大の食品スーパー、クローガー(KR)などが挙げられます。

これらの銘柄はコモディティ関連銘柄でもありますから、バフェットは将来、コモディティ価格が大きく値上がりすることに賭けている可能性があります。

ちなみに、サンコアエナジーはエネルギー価格の値上がりに、バリック・ゴールドは貴金属の値上がりに、そして、クローガーは食品を販売しているので穀物の値上がりに強いので、バフェットがコモディティの時代に賭けている可能性は大きいです。

【株VSコモディティ】
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実際、歴史を振り返ると、コモディティの時代が到来する兆候も見られています。

このチャートはコモディティ指数をS&P500指数で割った指数の推移で、たとえば、指数は2008年から2020年にかけて一貫して下落してきたわけですが、これはコモディティが株式に対して売られていることを意味します。

しかし、過去を振り返ると、株式とコモディティには17年周期のサイクルがあり、前回のピークが2008年であることを考えると、次のピークは5年後の2025年になることが予想されます。

つまり、2025年にかけて株式に投資するよりもコモディティに投資した方が高いリターンが見込めること、さらに金利が長期に渡って低迷することが予想されることから、バフェットは銀行株を売り、コモディティ関連株に投資していると言えます。

グッドラック。

 
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