バフェット太郎です。

過去20年近くに渡って、世界の大手銀行が巨額のマネーロンダリング(資金洗浄)をしていた可能性があることが、米政府の内部文書で明らかになりました。

内部文書によれば、1999年から2017年にかけて計2兆ドル(約208兆円)規模の疑わしい取引があり、金融機関内部の担当者からマネーロンダリングや犯罪行為の可能性があると警告されていたそうです。

この2兆ドルの取引のうち、半分以上にあたる約1兆3000億ドルをドイツ銀行が、約5140億ドルをJPモルガン・チェースが関わった可能性があり、その他にも英スタンダード・チャータード、米バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、英バークレイズ、仏ソサエティ・ジェネラル、英HSBCの名前が挙がりました。

BBCによると、英HSBCが13年から14年にかけて、8000万ドル規模の投資詐欺について知りながら、詐欺グループによる海外送金を認めていたとのこと。

また、プーチン大統領の側近の一人は制裁によって西側諸国の金融サービスの利用は禁じられていましたが、英国の銀行口座を使ってこれを回避し、西側諸国と何かしらの取引をしたそうです。

一連のスキャンダルを受けて、ドイツ銀行(DB)は8.25%安、JPモルガン・チェース(JPM)3.09%安、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)4.04%安、HSBC・ホールディングスHSBC)5.52%安と軒並み急落したほか、他の銀行株も連れ安となりました。

これは、当局の対応が今後一層厳しくなる可能性があることが意識されたためです。

【HSBCホールディングス(HSBC):日足】
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HSBCの株価は18.64ドルと、年初の39.37ドルから52.7%安と大暴落しています。

これは、今回のスキャンダルだけでなく、中国が「エンティティリスト(信頼できない企業リスト)」にHSBCが入る可能性があることも株価の押し下げ要因になっているからです。

HSBCは中国通信機器大手ファーウェイの創業者の娘であり、CFOである孟晩舟氏のカナダでの逮捕に協力した疑いがあるためです。

HSBCは捜査への関与を否定しているものの、仮にエンティティリストに入れば中国での事業が困難になるため、大きなマイナス要因になります。

【S&P500:日足】
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銀行株が急落したことで、S&P500種指数は前日比1.16%安の3281ポイントと急落しました。

これまでのトレンドラインと50日移動平均線を割り込んだことで一段と値を下げる公算が大きく、投資家はこれから訪れる暴落局面を覚悟する必要があります。

グッドラック。

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