バフェット太郎です。

新型コロナワクチン完成と、追加の景気支援策決定への期待感が高まっていることから、航空株への投資が注目されつつあります。

ただし、現在の航空業界を取り巻く環境は過去最悪で、業界全体の収入は前年比75%~85%減となっており、旅行需要は依然として回復していないことを考えれば、航空株への投資はかなりリスクの高いものになりそうです。

ちなみに、旅行需要が回復していないのは、外国との国境の閉鎖や厳格な隔離規制が原因ですから、仮にワクチン開発に失敗すれば、需要が当面の間回復しないどころか、脆弱な財務体質の航空企業ほど破綻のリスクが高まります。

そのため、政府による追加の景気支援策が必要となるわけですが、トランプ大統領とペロシ下院議長が非難の応酬をしていることから、航空株への投資リスクは依然として高いままです。

この追加の景気支援策は共和党が1兆8000億ドルを提案している一方で、民主党は2兆2000億ドルを提案しています。そして、共和党は航空会社の追加支援だけでなく、飲食店やホテルなどコロナ禍による打撃を受けた業界を助けたいとしている一方で、民主党は「トランプ政権の提示額は必要額の60%にすぎない」として、合意しない方針を示しています。

とりわけ、民主党は追加の景気支援策に合意しないことで、株価を下げることができれば大統領選を有利に戦うことができますから、合意を慌てる理由はありません。

ただし、仮に追加の景気支援策が合意したとしても州や国境が開かれないことには意味がありません。そのため、航空株復活はワクチン開発の成功に掛かっていると言えます。

さて、米国では今週から第3四半期の決算発表が本格化するわけですが、12日にデルタ航空(DAL)が、14日にユナイテッド航空(UAL)が決算発表を控えています。

【デルタ航空:DAL】
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デルタ航空の日足チャートを眺めると、上値が抑えられている一方で下値が切り上がっており、三角保ち合いを形成していることがわかります。そのため、決算発表でレジスタンス(上値抵抗線)を上にブレイクアウトできるかどうかが注目されます。

とはいえ、いずれにせよ航空需要はワクチン次第ということもあるため、ワクチン開発が成功するかどうかを確認してから投資を始めても遅くないと思います。

グッドラック。

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