バフェット太郎です。

米労働省が10月の雇用統計を発表しました。内容はまちまちでした。

【失業率】
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失業率は予想7.7%に対して結果6.9%と予想より良かったです。失業率はこれで6カ月連続で改善しました。

【非農業部門雇用者数】
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また、非農業部門雇用者数は予想60万人増に対して、結果63万8000人増と予想を上回りました。

8月と9月は合計で1万5000人分が上方修正されました。

これで5月から10月までの半年間で1207万人増加しました。ただし、3月と4月の2カ月間で2206万人もの労働者が職を失ったことを考えると、米労働市場は未だ深い穴にはまったままであると言えます。

【平均時給(前年同月比)】
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平均時給は+4.5%と、前月の+4.6%から0.1%ポイント下落したものの、依然として高水準でした。

通常、賃金が伸びていることは景気拡大を示唆する良いニュースなのですが、コロナ禍の中での伸びはあまり良い兆候とは言えません。

なぜなら、新型コロナウイルスによる打撃を最も受けたセクターが、比較的賃金の安いサービス業だからです。つまり、最もコロナの打撃を受けた人々が、職場に復帰していれば、平均時給の伸びは本来大きく低下するはずなんです。

そうであるのにも関わらず、平均時給の伸びが依然として高水準であるということは、サービス業で働く低賃金労働者が、未だ職場に復帰できていなくて、リモートワークで仕事ができるような、比較的賃金の高いホワイトカラー労働者が、平均時給を押し上げていると言えるんです。

【セクター別就業者数】
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実際、賃金が低いことで知られる「小売業」の就業者数は、3月と4月に234万5000人分の職が失われた一方で、5月から10月までの半年間で188万7000人しか増えていませんから、およそ2割の人たちが未だ職場復帰できていません。

また、「レジャー・娯楽」の就業者数も3月と4月で807万4000人分の職が失われた一方で、5月から10月までの半年間で483万2000人しか増えていなくて、未だおよそ4割の人々が職場復帰できていないので、低賃金労働者たちの生活が困窮しつつあることが想像できます。

そして、サービス部門だけでなく商品生産部門の回復も未だ道半ばです。

「建設」の就業者数は3月と4月に105万1000人分の職が失われた一方で、5月から10月までの半年間で78万9000人しか増えていませんから、未だおよそ4人に1人の割合で職場復帰できていません。

また、「製造業」の就業者数は3月と4月に135万1000人分の職が失われた一方で、5月から10月までの半年間で74万2000人しか増えていませんから、未だおよそ半分の人々が職場復帰できていないと言えます。

【平均残業時間】
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ただし、労働市場は少しずつ改善の兆しも見えています。それは、景気の先行指標として知られる「平均残業時間」が増え始めていて、10月の平均残業時間は3.2時間と、前月の3時間から0.2時間増えているんです。

そもそもなぜ、平均残業時間が景気の先行指標になり得るのか?というと、経営者は受注が増えて、景気拡大の兆候が見え始めたら、それが持続的なものなのか、あるいは一時的なものなのかを見極めるまでの間、フルタイム労働者を新規採用するのではなくて、従業員に残業代を支払って、長時間働いてもらう傾向にあるからです。

そして、景気拡大が持続的なものであると判断できれば、割高な残業代を支払って従業員を酷使するよりも、新しい人を雇った方が安上がりなので採用活動を再開し、次第に雇用が上向き始めるんです。

そのため、5月以降一貫して残業時間が増えていることを考えると、労働市場は緩やかに改善していると考えることができるんです。

ただし、新型コロナウイルスの感染危機「第3波」が襲来していることを考えると、労働市場の回復が持続的なものなのか、あるいは一時的なものなのかを見極める必要があります。

【米国の新規感染者数】
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たとえば、米国の新規感染者数は先週、はじめて13万人の大台を突破し、依然として収束の兆しが見えていません。

こうした中で、コロナワクチンが未だ完成していないことや、治療薬の量が足りていないことを考えると、実店舗で買い物を避ける人たちが増える可能性がありますから、小売業や飲食業の雇用者数が再び低迷する可能性があり余談を許しません。

グッドラック。

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