バフェット太郎です。

投資マネーが米国株から新興国株にシフトしつつあります。

【新興国株/S&P500:1996-2020】
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このチャートは新興国株指数をS&P500種指数で割って求めた指数で、指数が下落すればするほど、米国株が新興国株をアウトパフォームした一方で、反対に上昇すればするほど新興国株が米国株をアウトパフォームしたことを意味します。

つまり、2001年から2011年にかけて指数が大きく上昇した局面では、新興国株が米国株を大きくアウトパフォームした一方で、2011年から現在にかけて指数が大きく下落した局面では、新興国株は米国株を大きくアンダーパフォームしたことを意味します。

米国株の一強時代が長く続いたことを背景に、多くの個人投資家は米国株の先行き見通しに強気になっているわけですが、もしかすると、米国株よりも新興国株の方がこれからは魅力的かもしれません。(※これは米国株が値上がりしないというわけではなくて、米国株よりも新興国株の方が値上がりするかもしれないということです。)

【新興国株/S&P500:日足】
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たとえば、日足チャートを眺めると、2018年以降一貫して200日移動平均線と下降トレンドラインをレジスタンスに押さられてきたことがわかると思います。

しかし、その200日移動平均線と下降トレンドラインを上にブレイクアウトしたこと、さらに50日移動平均線が200日移動平均線を上回るゴールデンクロスが確認できたことで、トレンドが転換しようとしていることがわかると思います。

つまり、すでに新興国株は米国株をアウトパフォームし始めているのです。

過去を振り返ると、一度新興国株に投資マネーが流れ始めると、あるいは一度米国株に投資マネーが流れ始めると、そのトレンドは数年間続くことから、今後数年間に渡って新興国株が米国株をアウトパフォームし続けるかもしれません。

ところでなぜ今新興国株が注目されているのかというと、それはバイデン政権の誕生によって貿易政策が大きく変更されるかもしれないからです。

たとえば2016年以降、米国は他国に関税を課すなど保護貿易に走ったことが原因で新興国経済は低迷しましたが、バイデン政権の誕生によって自由貿易が促進されれば、新興国経済は息を吹き返すことが予想されるのです。

また、ドル安トレンドが本格的に始まろうとしていることも新興国株投資にとって追い風になります。

【ドルインデックス:1970-2020】
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過去50年のドルインデックスの推移を振り返ると、ドルインデックスには7~8年の上昇と下落を交互に繰り返す15年周期があることがわかります。

たとえば、ドルインデックスは1971年から1978年にかけて7年間下落したあと、1985年にかけて7年間上昇しました。そして、1992年にかけて7年間下落すると、2001年のドットコムバブル崩壊にかけて9年間上昇しました。さらに2008年の金融危機にかけて7年間下落し、2016年にかけて8年間上昇しました。

現在、2016年を起点にドルインデックスが下落トレンドに入っていることを考えると、7年後の2023年にかけてドルインデックスが下落することが予想されます。

そして、2001年から始まったドル安局面で新興国株が大きく上昇し、2011年から本格的に始まったドル高局面で新興国株が低迷したことから、ドルと新興国株は逆相関の関係にあることがわかります。これは、ドル安によって新興国のドル建て資産価格が値上がりするほか、米国の機関投資家がドル安を懸念して新興国に資産を移そうとする動きが加速するからです。

そのためこれからドル安トレンドが本格的に始まれば、新興国株が大きく上昇する可能性が高いと言えます。

グッドラック。

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