One Tap BUY
バフェット太郎です。

FRBが11月のFOMC(連邦公開市場委員会)で「米国債の購入増など、追加緩和が可能だ」とした上で「比較的早い段階に強化した方がいい」と指摘していたことが議事要旨で明らかになりました。

そのため、早ければ12月中旬の次回FOMCで量的緩和の拡充が検討されるかもされず、株式市場にとってプラス材料になります。

そもそも「量的緩和」というのは、FRBが市中銀行から大量の国債を買い入れることで、市中銀行に大量のドルを供給することを意味するわけですが、当然、FRBのバランスシートは国債を買い入れた分だけ膨張します。

そして、FRBのバランスシートが膨張しているということは、債券市場に莫大なマネーが流入すると同時に、債券市場で溢れたマネーの一部が株式市場に流入することを意味しますから、FRBのバランスシートが膨張すると、株式市場も大きく上昇する傾向があるのです。

【S&P500種指数とFRBのバランスシート】
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実際、これまでもQE(量的緩和)が実施される度に株価指数は大きく上昇してきました。

さて、FRBが量的緩和について「比較的早い段階に強化した方がいい」と焦っている理由は足元で長期金利が上昇しているからです。

【米10年債利回り:日足】
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たとえば、米10年債利回りの日足チャートを眺めると、50日移動平均線をサポートライン(下値支持線)に下値が次第に切り上がっていることがわかります。つまり、足元では長期金利に上昇圧力がかかっていると言えるのです。

ちなみに長期金利が上昇している理由は、コロナワクチンの開発成功への期待感が高まっていることに加えて、バイデン次期大統領が向こう4年で2兆ドルの大型インフラ投資を公約として掲げているからです。

仮にこの二つが実現すれば、景気回復への期待感から、将来の期待インフレ率が上昇しますし、巨額の財政出動は財政懸念を高めることに繋がりますから、二重で金利上昇圧力がかかってしまうのです。

ところでなぜ、FRBは長期金利の上昇を懸念しているのかと言うと、景気回復の腰折れリスクになりかねないからです。

たとえば、長期金利が上昇してしまうと、金利とシーソーの関係にある株式のバリュエーション(PERなど)が低下するので、株価が低迷するリスクが高まります。

また、長期金利の上昇は銀行の貸出金利の上昇を意味しますから、企業は設備投資に、そして個人はマイホームの購入に慎重になります。企業の設備投資や個人のマイホームの購入は、実体経済に大きな影響を与えるので、長期金利の上昇は景気の腰折れリスクになるのです。

さらに、ねじれ議会の中で追加の経済対策案がまとまらないこともFRBの懸念材料になっています。

ファイザー・バイオンテック連合が開発したワクチンが12月に承認されたとしても、一般の国民が接種できるのは春以降になりますから、労働市場は引き続き低迷することが予想されます。

すると、失業者たちは給付金が貰えないと家賃と住宅ローンを支払うことができなくなるわけですから、追加の経済対策は失業者にとって死活問題なのです。

そのため、FRBが焦っているのは、米経済が一段と冷え込むリスクが高まっているからに他なりません。

とはいえ、株式市場はこれは「Bad news is good news(悪い知らせは良いニュース)」と捉えることが予想されます。つまり、「Bad news」は量的緩和の拡大が期待できるので、株式市場にとってプラス材料だと言えるのです。

グッドラック。

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