バフェット太郎です。

ぼくは投資を20代前半で始めて今年で10年になるわけですが、バリュー株投資で成功する方法は誰もが嫌っている優良銘柄を決して割安とは言えない価格で買い、長期で保有するということです。ほとんどの投資家は割安で買うということを意識していますが、ぼくの経験則で言えば、誰もが嫌っている銘柄とはいくら株価が安くなっても割安とは判断されないということです。また、嫌われる理由は新興企業の攻勢に押されているような状況が好ましいです。

最近の例で言えばマクドナルド(MCD)とシェイクシャック(SHAK)がそれでした。MCDは食肉消費期限切れ問題で顧客離れが加速して売上高が減少する一方、少し高いけれどワンランク上のプレミアムバーガーを提供したイケてるSHAKに顧客は飛びつきました。しかしシェイクシャックは確かにおいしいけれど値段は高いです。客単価は1500円くらいで、MCDは800円くらいですからおいしいのは当たり前です。客層はカップルが比較的多いためMCDと言うよりもスターバックス(SBUX)と競合すると思います。

食肉消費期限切れ問題が下火になり、MCDが「オールデイブレックファスト(一日中朝マックが食べられる)」の企画が始まると米国では客数が戻り、業績も回復し株価も上昇しました。この半年間でMCDの株価が+23%上昇したのに対し、SHAKは-17%と冴えません。では、半年前のバリュエーションはどうだったかと言うと、MCDのPERは20倍を超えていて、決して割安な水準とは言えませんでした。これは高い配当性向なども原因になっています。しかし、結果的に見れば誰もが嫌っていてバリュエーション面でも割安とは言えないときがまさに「買い場」でした。ちなみにSHAKのPERは1260倍ですが、将来の成長率を考えると決して割高とは言えないというのが大方の見方です。

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その他にもウォルマート・ストアーズ(WMT)とアマゾン(AMZN)も面白いです。昨年のWMTはダウ採用銘柄で最も冴えない銘柄のひとつでした。一方でAMZNは誰もが保有していることを自慢したがるイケてる銘柄でした。しかし、この三か月でグロース株全体が失速した影響を受けてAMZNの株価は-16.61%と急落。一方でWMTは+13.74%と急上昇しています。では三か月前のバリュエーション面でWMTは割安だったかというと微妙です。確かにPERは15倍を下回っていましたが、店舗の閉鎖やAMZNの攻勢を受けて割安とは判断されませんでした。しかし、結果的に見れば誰もが嫌っていて、バリュエーション面でも割安とは言えないときがまさに「買い場」でした。ちなみにAMZNのPERは450倍ですが、将来の成長率を考えると決して割高とはいえないと言うのが大方の見方です。

MCDもWMTも勢いのあるイケてる新興企業の光の影に隠れて嫌われている時が買い場でした。しかし、その瞬間とは「マクドナルドのク〇マズイバーガーなんて誰も食べない」とか「ウォルマートの大量販売のビジネスモデルは終わった」とか言われているときに長期投資するわけです。

誰もがその企業に対してネガティブな感情を抱いて売っているときに、自分だけアホだマヌケだと言われながら勇猛果敢に買い向かうわけですから、バリュー株投資家は何かにとりつかれたような強い信念が必要になります。別の言い方をすれば、バリュー株投資家はあらゆる悲観論に屈服せず、投資を続けた者だけが成功できるのです。
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