バフェット太郎です。

中国の規制当局が、電子商取引大手のアリババ・グループ(BABA)が独占禁止法に違反しているとして調査に乗り出しました。

アリババはかねてから一部の出店業者に対して、自社プラットフォームの「タオバオ」や「Tモール」でのみ運用するよう圧力をかけていて、JDドット・コム(JD)やピンドォオドォ(PDD)には出店させないようにしていました。

たとえば、すでに「タオバオ」で商品を販売している小売業者が、JDドット・コムでも商品を発売した場合、アリババはその小売業者に対して、「タオバオ」内での検索結果の表示順位を下げるなどしていたそうです。

こうしたことから、JDドット・コムのプラットフォームからは100余りのブランドが撤退したため、JDドット・コムは2017年にアリババに対して損害賠償を求めたわけですが、裁判は現在も審理中になっています。

アリババは中国を代表する大企業に成長したことから、規制当局による監視の目もそれほど厳しくなく、これまで大抵のことはお咎めなしでした。

ところが、10月下旬に上海で開催された金融サミットで、アリババとアントの創業者ジャック・マー氏は「中国の国有銀行は、欧米の金融機関を見習って、旧来型の融資をしてきた」とした上で「21世紀には通用しなくなる」と痛烈に批判をしました。

さらにマー氏は「国有銀行は一刻も早く変わらなければならない。もしも変わらないのなら、アリババが銀行を変える」と宣言したのです。

これが当局の逆鱗に触れてしまったことで、予定されていたアント・グループのIPOは急遽中止となっただけでなく、アリババに対して独占禁止法に違反しているとして調査が入ったわけです。
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マー氏は最悪の事態を覚悟した上で、規制当局との会議で、「国が必要とするのなら、アントから好きなプラットフォームを取っていい」と発言するなど、アント・グループの一部を政府に譲渡する提案をしたそうです。

アリババはこれまで規制当局が見て見ぬふりをしてくれたおかげでグレーゾーンを歩いてこれましたし、そのおかげで成長することができましたが、結局のところ、それは後でいくらでも黒に塗り替えられてしまうことを意味します。

そのため、将来的にはアリババ・グループの一部も政府に譲渡する可能性があり、中国政府による巨大テック企業の「半国有化」が進む可能性があります。

【アリババ(BABA):週足】
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アリババの株価は直近の高値から30%安と暴落しており、目先のターゲットは200週移動平均線の186ドル水準になります。そのため、200週移動平均線で反発するのかあるいは割り込んでしまうのかに注目したいです。

ちなみに、中国政府は2021年の経済方針として8つの重点項目を定めて、その6項目めには、「反独占強化、資本の無秩序な拡張防止」と明記されています。

つまり、「2021年はアリババを叩く!」と宣言しているわけですから、投資家は一段の株安を覚悟する必要があります。

ただし、中国政府もアリババをダメにしたいとは考えていませんから、2021年の株安はアリババに投資する絶好のチャンスになるかもしれません。

グッドラック。

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