バフェット太郎です。

2020年を振り返ると、セクター別で最も好調だったのがテクノロジー株で、最も不調だったのがエネルギー株でした。

【2020年セクター別騰落率】
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テクノロジー株は+41.4%、一般消費財株+25.9%、コミュニケーション株+23.6%だった一方で、エネルギー株-36.5%、金融株-5.9%、生活必需品+5.9%でした。(グラフにはありませんが、不動産株は-6.4%でした。)

ちなみに、S&P500高配当株ETF(SPYD)のセクター別シェアは金融株が27%、不動産株は17%、エネルギーは12%と、ポートフォリオ全体の56%を不調の三大セクターが占めていますから、特に不運なETFとなりました。

【各種騰落率】
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また、バリュー株とグロース株とでは、グロース株が+27.9%とバリュー株の-3.0%を大きくアウトパフォームし、大型株と小型株とでは、小型株が大型株をややアウトパフォームしました。

そのため、2020年は「小型ハイテク株」にとって最も幸運は一年でしたが、「大型エネルギー株」にとって最も不運な一年だったと言えます。

ただし、これはグロース株がバリュー株を常にアウトパフォームし続けるとか、小型株が大型株を常にアウトパフォームし続けるということを保証するものではありません。

【バリュー株/グロース株レシオ:2000-2020】
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たとえば、バリュー株指数をグロース株指数で割ることで求めた指数を眺めると、2020年に指数が急落していることがわかると思います。

この指数の見方は指数が上昇すればバリュー株がグロース株をアウトパフォームしていることを表している一方で、指数が下落すればバリュー株がグロース株をアンダーパフォームしていることを表しています。

そのため、2020年に指数が急落したということは、投資マネーがグロース株に集中したことを意味します。

ちなみに、過去20年を振り返ると、2000年から2008年頃まで一貫してバリュー株がグロース株をアウトパフォームして来た一方で、2009年以降は一貫してバリュー株がグロース株をアンダーパフォームしたことが分かると思います。

つまり、投資マネーとは一度バリュー株(あるいはグロース株)に流れ始めたら、そのトレンドは10年くらい続く傾向があるということです。

そのため、2021年以降もそのトレンドが続くかどうかはわかりません。2020年の0.56を底値に底打ちした場合、2021年以降はバリュー株の時代が到来するとも考えられます。

こうしたトレンドの変化は急激に訪れるものではなくて徐々に訪れるものですし、2013年や2017年の時のように、トレンドが反転したと思ったらまた元に戻るということもあり得るので、注意深く見守るとともに、グロース株の時代が永遠に続くわけではないことを覚悟しておいた方が良いです。

【大型株/小型株レシオ:2000-2020】
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これは、大型株指数を小型株指数で割ることで求めた指数ですが、2020年に指数が急落していることがわかると思います。

この指数の見方は指数が上昇すれば大型株が小型株をアウトパフォームしていることを表している一方で、指数が下落すれば大型株が小型株をアンダーパフォームしていることを表しています。

そのため、2020年に指数が急落したということは、急速に小型株に投資マネーが流入していることを意味します。

ちなみに、過去20年を振り返ると、2000年から2011年頃まで一貫して大型株が小型株をアンダーパフォームした一方で、2011年以降は大型株が小型株をアウトパフォームしたことが分かると思います。

つまり、投資マネーとは一度大型株(あるいは小型株)に流れ始めたら、そのトレンドはしばらく続く傾向があるということです。

そのため、2020年の1.16を起点に急落が始まったのなら、今後数年間は小型株が強含むかもしれません。しかし、この急落が一時的なものなのか、あるいは持続的なものになるのかは慎重に見極める必要があります。

いずれにせよ、特定の投資対象が永遠に素晴らしいパフォーマンスを上げ続けられるわけではありません。また、個人投資家が正確にタイミングを見計らって、その時代に最も値上がりする投資対象に集中投資できるわけでもありません。

すると、個人投資家は必然的に幅広く分散投資をすることで、まずまずの投資成績で満足する必要があります。

それでも満足することができないのなら、ポートフォリオの一部を「趣味の投資」として、あなたがその時代に最も値上がりすると考える投資対象に資金の一部を振り分けるのがいいと思います。

もし、あなたがそれにすら満足できず、「飛び抜けた素晴らしいパフォーマンスでSNSで自慢したい!」とか「俺の投資人生はジョージ・ソロスを超えるか死ぬかの二択だ!」と考えるなら、幅広く分散されたポートフォリオなんか捨てて、あなたがその時代に最も値上がりすると考える投資対象に全財産をぶち込めばいいと思います。

個人投資家の数なんて何十万、何百万人といるのだから、確率的に言えば数千人くらいは飛び抜けたパフォーマンスで「自称天才投資家」を名乗れるはずです。(※1~2年の短期であれば、その数はもっと多くなります。)

もちろん、確率的に言えばあなたがそれになれる確率はずっとずっと小さいわけですが。

グッドラック。

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