バフェット太郎です。

労働省が12月の雇用統計を発表しました。内容は悪かったです。

【失業率】
2
失業率は予想6.8%に対して、結果6.7%と予想より良かったです。

ただし、これは感染危機が収束しないことを理由に就職を断念する人たちが増えたことによるものですから、(失業率の低下は)あまり良い兆候とは言えません。

【非農業部門雇用者数】
1
非農業部門雇用者数は予想7万1000人増に対して、結果14万人減と予想を大きく下回りました。就業者数が減少するのは2020年4月以来8か月ぶりのことです。

10月と11月は、合計で13万5000人分が上方修正されました。

5月から12月までの8カ月間で1232万1000人増加したものの、3月と4月の二か月間で2206万人が失業したことを考えると、半分程度の労働者しか職場に復帰できていことがわかります。

つまり、労働市場の回復は道半ばで終わろうとしているわけです。

【平均時給(前年同月比)】
3
平均時給は前年同月比で予想+4.4%に対して、結果+5.1%と予想を大きく上回りました。

平均時給の上昇は比較的賃金の低い労働者が職場に復帰できていないこと、そしてその結果、比較的賃金の高いホワイトカラー労働者が平均時給を押し上げたことを示唆しています。

【サービス部門】
5
実際、賃金が低いことで知られている「レジャー・娯楽」の12月就業者数は、49万8000人減と大きく落ち込みました。ちなみに「小売業」は12万人増と好調ですが、これはクリスマス商戦が要因ですから、1月以降伸び悩むことが予想されます。

【商品生産部門】
4
サービス部門が低迷する一方で、商品生産部門はやや持ち直しの兆しを見せています。

たとえば、「建設」の就業者数は5万1000人増と、前月の2万9000人増から伸びているほか、「製造業」も3万8000人増と、前月の3万5000人増から緩やかに伸びています。

【平均残業時間】
7
さらに、景気の先行指標として知られている平均残業時間が3.3時間と、前月の3.2時間から0.1時間増えていることも労働市場が一部で最悪期を脱したことを示唆しています。

これは、平均残業時間が増えているということは、受注が増えていることを意味するためです。ただし、経営陣が新規採用に踏み切れていないということは、先行き見通しに未だ自信が持てないことを示唆していますから、予断を許さないのもまた事実です。

さて、非農業部門雇用者数が減少したことは株式市場にとってプラス材料になります。

なぜなら、FRBによる量的緩和と政府による追加の景気支援策が期待できるからです。つまり、マネーサプライの膨張が予想されること、そしてジャブジャブに溢れた資金の一部が株式などの資産市場に流入することが期待できるのです。

そのため、プラス材料となるのは株式市場だけでなく不動産市場、コモディティ市場、仮想通貨市場など、リスク資産全般に言えますから、個人投資家は引き続き強気の見通しで大丈夫です。

グッドラック。

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