バフェット太郎です。

2020年12月、運用資産額100億ドル超でバリュー株を運用する米AJOパートナーズがファンドを閉鎖しまし、創業者のテッド・アロンソン氏は「我々はとにかく負け続けた。もう何年も」と、顧客向けの手紙に記したそうです。

こうしたことから「バリュー株投資は死んだ」といった声も聞こえます。

【バリュー株指数÷グロース株指数】
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このチャートは、バリュー株指数をグロース株指数で割ることで求めた指数で、2007年をピークに一貫して下落していることがわかると思います。

これは2007年以降、バリュー株がグロース株をアンダーパフォームしていることを意味していますから、2007年以降、バリュー株投資家に向かい風が吹き続けてきたことを意味します。

とりわけ、グロース株の追い風になったのは長期金利が下落してきたことにあります。

【米10年債利回り】
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長期金利と株式のバリュエーションはシーソーのような逆相関の関係にありますから、長期金利の低下はバリュエーションの上昇、すなわちPERの上昇を意味します。

すると、高PER株の多いグロース株ほど値上がりしやすく、時代の追い風を受けてきたと言えるのです。

実際、2003年から2007年にかけて長期金利は3.13%から5.26%と上昇したわけですが、この間、バリュー株はグロース株をアウトパフォームしていました。

長期金利が上昇する局面では、投資家は長期債を購入するだけで4~5%の利息収入がほぼ確実に見込めるわけですから、わざわざリスクの高いグロース株に投資しようとは考えないのです。

つまり、バリュー株投資の死の理由は、長期金利の上昇にあるわけですから、今後、長期金利が上昇すれが、再びバリュー株投資の時代が到来すること意味します。

21年前の2000年4月、ドットコム・バブル崩壊直前に当時世界最大のヘッジファンドだった米タイガー・マネジメントのジュリアン・ロバートソン氏がファンドを閉鎖しました。

ロバートソン氏は「我々の手法はうまくいっていない。なぜだか理解できない。もう67歳だ。誰も必要としないだろう」と言い残しました。

ロバートソン氏の運用スタイルは、バリュー株を買い持ちする一方、割高株を空売りする「ロング・ショート戦略」でしたが、割高株がさらに割高になるバブル相場では、この投資戦略は裏目に出てしまい、ファンドの閉鎖を余儀なくされました。

そして、ファンドの閉鎖直後、ドットコムバブルが崩壊し、バリュー株投資の時代が幕を開けました。

AJOパートナーズのファンド閉鎖は、タイガー・マネジメントの閉鎖を思い起こさせます。

【米10年債利回り:日足】
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米10年債利回りの日足チャートを眺めると、2020年8月以降、次第に下値を切り上げていることがわかると思います。

つまり、長期金利は底打ちし、バリュー株投資の時代到来を告げている可能性があります。

とはいえ、バフェット太郎はただちにバリュー株投資の時代が到来するとは考えていません。なぜなら、長期金利の上昇は景気の腰折れリスクに繋がるからです。

たとえば、長期金利の上昇は貸出金利の上昇を意味するので、企業は設備投資に、個人は住宅の購入に消極的になります。

そのため、コロナ危機から完全に脱却したことが確認できるまで、FRBは長期金利の上昇を容認せずに、量的緩和で購入国債の年限を長期化することで、金利を抑えつけることが予想されるのです。

そして、FRBは雇用の最大化と物価の安定を達成できるのは2023年以降と予想していますから、長期金利が本格的に上昇し、バリュー株投資の時代が本格化するのは2023年以降だと考えられます。

グッドラック。

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