バフェット太郎です。

ウォールストリート・ジャーナルによれば、米石油メジャー最大手のエクソン・モービル(XOM)と同業第2位のシェブロン(CVX)が昨年、合併について協議していたとのこと。

両社の時価総額はエクソンが1900億ドル、シェブロン1600億ドルですから、合計時価総額は3500億ドルとなり、仮に実現すれば史上最大級の企業合併になります。また、石油生産量はサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコに次ぐ世界2位となります。

そもそも、米石油市場はジョン・D・ロックフェラー氏率いるスタンダード・オイル社が90%のシェアを誇り独占していました。しかし、1911年になると米規制当局によって、地域ごとに34社に解体されました。

たとえば、ニュージャージー州はエクソン、ニューヨーク州はモービル、カリフォルニア州はソーカルとして再出発しました。

その後、石油産業はエクソン、モービル、ソーカル、ガルフ、テキサコ、ロイヤル・ダッチ・シェル、ブリティッシュ・ペトロリアムの7社が世界の石油市場を支配する「セブンシスターズの時代」に突入します。この時代、セブンシスターズは中東の石油利権を獲得し大きく成長しました。

ところが、60年代以降、中東諸国の産油国を中心としたOPEC(石油輸出国機構)が創設され、石油利権が奪われると次第も力を失っていき、1999年にエクソンとモービルが合併してエクソン・モービルになったほか、ソーカルとガルフ、そしてテキサコが合併し、シェブロンになりました。

そのため、エクソンとシェブロンが合併するということは、1911年以来、約100年ぶりに合流することを意味します。

ちなみに、石油価格が回復したことで協議は継続されていないものの、今後再開される可能性もあるそうです。

【石油先物価格:日足】
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石油先物価格は53.93ドルをピークにもみ合っていて、目先は50日移動平均線をターゲットに下落することが予想されます。

【エクソン・モービル:日足】
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エクソン・モービルも株高が落ち着いています。目先は50日移動平均線を反発するのか、あるいは割り込んでしまうのかが注目されます。ちなみに、配当利回りは7.83%と高配当です。

【シェブロン:日足】
3
シェブロンの株価はすでに50日移動平均線を割り込み、200日移動平均線の水準を試されています。配当利回りは6.06%と高配当です。

いずれにせよ、石油株は原油価格次第であり、原油需要は感染危機が収束するかどうかにかかっています。現在、コロナワクチンの接種率は7.8%で、これが60~70%に達すると集団免疫の状態となります。

そして、夏から秋頃にかけて集団免疫の状態になると予想されていますから、このまま接種率が順調に上昇し続けるのか、投資家は引き続き注目する必要があります。

グッドラック。

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