バフェット太郎です。

ナスダック総合指数が前日比2.46%安と急落しました。

【ナスダック総合指数:日足】
1
ナスダックが急落した主な要因は、長期金利の急騰によって株式のバリュエーションが低下したためです。

【米10年債利回り:日足】
3
米10年債利回りの推移を眺めると、下値を切り上げているほか、最近になって上昇ピッチが加速し始めています。

そもそも、米2年債利回りなどの短期金利はFRB(米連邦準備制度理事会)による政策金利に左右されますが、米10年債利回りなどの長期金利はインフレの見通しに左右されますから、長期金利が急騰しているということは、投資家はインフレを懸念し始めたと言えます。

長期金利が急騰している背景にはコロナワクチンの普及や追加の経済対策が挙げられます。

コロナワクチンを巡っては、テキサス州を中心とした寒波の影響でワクチンの流通に一部で支障が出ているものの、概ね順調に普及が進んでおり、経済活動再開への期待感が強まっています。経済活動が再開すれば、物価上昇が加速すると見られていることが長期金利の上昇に拍車をかけたわけです。

また、追加の経済対策を巡っては、民主党上院トップのシューマー院内総務が「現行の失業保険の上乗せ給付が終了する3月中旬までに成立させる」と前向きな姿勢を示したことも、長期金利の上昇を後押ししました。これは、追加の経済対策の規模が1兆9000億ドルと巨額になるため、財政悪化懸念がインフレを加速させると考えられているためです。

そして、長期金利と株式のバリュエーションはシーソーのような逆相関の関係にあるため、長期金利が急騰する局面では株式のバリュエーションは急落するリスクが高まります。

そもそも株式のバリュエーションとは、PER(株価収益率)など株価が割高か割安かを表す尺度のことで、ハイパーグロース株ほどPERが高騰していました。

そのため、長期金利が急騰する局面では、高PER株の多いハイパーグロース株ほど急落しやすいのです。

【テスラ(TSLA):日足】
2
たとえば、これまで市場の牽引役となっていたハイパーグロース株のテスラ(TSLA)の株価は前日比8.55%安と急落したほか、50日移動平均線を大きく割り込みました。

テスラのPERは1000倍を大きく上回っていますから、長期金利の急騰に弱い傾向があります。

【デルタ航空(DAL):日足】
4
経済活動の再開は、コロナ危機で最も打撃を受けたセクターにとって追い風になります。たとえば、デルタ航空は前日比4.53%高と急伸しています。

【アルコア(AA):日足】
5
また、インフレへの懸念は素材株にも追い風となります。たとえば、アルミの採掘と精製で世界一のアルコアは前日比7.22%高と急騰し、50日移動平均線を大きく上回りました。

【金先物価格:日足】
6
さらに、これまで一貫して売られ続けてきた金も1.74%高と大きく反発しました。

そもそも金は保有していても利息がつかないことから、長期金利が上昇する局面では売られてきました。これは投資家が金に投資するよりも、金利が急騰している債券に投資した方が有利だと考える傾向があるからです。

とはいえ、金にはインフレヘッジとしての魅力もあります。そもそも、中国やインドなどの新興国で花嫁に親が金の装飾品をプレゼントするのは、金がインフレヘッジの手段となり得るからです。

そのため、これまでは「長期金利上昇→売り材料」でしたが、この日を境に「長期金利上昇→買い材料(インフレヘッジ)」として、金が買われ始める可能性があります。

ただし、依然として金の下落トレンドは続いていることを考えると、まずは50・200日移動平均線を上回るかどうかに注目する必要があります。

いずれにせよ、この日を境に株式、債券、コモディティのセンチメントがガラっと変わった可能性があります。

グッドラック。

SPONSORED LINK